2026.05.27

【図解付き】採用ファネルとは?分析方法や中途・新卒別のファネルも紹介

【図解付き】採用ファネルとは?分析方法や中途・新卒別のファネルも紹介

採用活動が思うように進まないとき、「応募が来ない」「市場が厳しい」「良い人がいない」といった言葉で状況が語られがちです。

しかし、それらは本当に原因なのでしょうか。求人を見てもらえていないのか、興味は持たれているのに応募されていないのか、あるいは選考や内定の段階で選ばれていないのか。採用のどこで何が起きているのかを把握しないままでは、打ち手はどうしても場当たり的になります。

そこで役に立つのが「採用ファネル」という考え方です。

本記事では、採用ファネルの概要や、採用ファネルを用いた採用活動の分析方法を解説します。


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採用ファネルとは?図解付きで解説

採用ファネルとは、候補者が企業を認知してから入社に至るまでのプロセスを、段階ごとに分解・可視化した考え方です。
ファネル(funnel=漏斗)の名前の通り、上流ほど人数が多く、選考が進むにつれて候補者が絞られていく構造を持ちます。

一般的には、企業を知る → 興味を持つ → 応募する → 選考を受ける → 内定・入社する
という一連の流れを、「認知」「興味・検討」「応募」「選考」「内定」「入社」といった段階に分けて整理します。

マーケティングファネルと同じ発想で、各段階ごとに「どれくらいの人数がいて、どこで離脱しているか」を把握するために使われます。

採用ファネルの基本構造

一般的には、以下のような流れで整理されます。

① 認知(Attract)

  • 企業を知る
  • 求人を目にする

② 興味・検討(Interest)

  • 仕事内容や会社に興味を持つ
  • 応募を検討する(求人票閲覧、採用サイト閲覧など)

③ 応募(Apply)

  • 応募フォーム送信
  • スカウトへの返信

④ 選考(Selection)

  • 書類選考
  • 面接(一次〜最終)

⑤ 内定(Offer)

  • 内定提示
  • 条件提示・すり合わせ

⑥ 入社(Hire)

  • 内定承諾
  • 入社・オンボーディング

採用マーケティングとの違い

採用ファネルは、自体が施策を生むわけではなく、「どこに手を打つべきか」を判断するための軸です。

一方、採用マーケティングは、候補者に選ばれるための具体的な取り組み全般を指します。

たとえば、採用広報やブランディング、採用サイトや求人票の設計、SNS発信やコンテンツ制作、スカウト文面の改善、候補者体験(CX)の向上などが採用マーケティングに含まれます。


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採用ファネルが注目される背景

採用ファネルはなぜ注目されているのでしょうか。

採用活動が長期化している

採用ファネルが注目される背景には、採用活動そのものが以前よりも明らかに長期化していることがあります。採用が短期決戦だった時代には、応募数や内定数といった結果だけを見ていても問題が表面化しにくかったのに対し、現在はプロセス全体を丁寧に管理しなければ成果が出にくくなっています。

途中経過を把握せずに結果だけを見ると、「最終的に採用できなかった」という事実しか残らず、なぜそうなったのかが分かりません。

そこで重要になるのが、採用ファネルという考え方です。採用ファネルを使えば、長期化した採用活動を段階ごとに分解し、それぞれの進捗や推移を確認できます。今どのフェーズにどれだけの候補者が滞留しているのか、どこで時間がかかっているのかを把握できるため、プロセスの途中で手を打つことが可能になります。

また、採用が長期化するほど、関係者間の認識ズレも起きやすくなります。現場は「まだ決まらない」と感じ、人事は「途中で辞退が出ている」と感じる、といった状態です。採用ファネルを共有すれば、採用活動を時間軸と構造で説明できるため、進捗や課題を共通認識として持ちやすくなります。

売り手市場が加速している

売り手市場が加速すると、採用活動の失敗は「応募が来ない」だけでなく、「途中で選ばれない」という形で現れます。たとえば、応募数や面接通過率が一定でも、内定承諾率が低い、選考途中での辞退が多いといった問題が起こります。

採用ファネルを使えば、こうした状況を段階ごとに切り分けられます。認知や興味の形成が不十分なのか、選考体験に課題があるのか、内定後のフォローが弱いのかを整理することで、売り手市場における競争ポイントが明確になります。

ダイレクトリクルーティングの普及

採用ファネルが注目されるようになった大きな理由の一つが、ダイレクトリクルーティングの普及によって、採用プロセスが複雑化したことです。従来の採用は、求人を出し、応募を待ち、面接して採用するという比較的シンプルな流れでした。そのため、応募数や内定数といった結果指標だけを見ていても、大きな問題は起きにくかったと言えます。

しかしダイレクトリクルーティングでは、企業側が候補者に直接アプローチします。スカウトを送信し、開封され、内容を読まれ、返信され、カジュアル面談につながり、選考へ進むというように、応募以前のプロセスが大きく伸びました。

この変化によって、「採用がうまくいっていない」という状態の中身も変わりました。応募が少ないのではなく、スカウトが開封されていない、開封されても返信されていない、面談につながらない、といった課題が発生します。にもかかわらず、最終的な入社人数だけを見ていると、どこに問題があるのか分からないまま、スカウト数を増やすなどの場当たり的な対応に陥りがちです。

そこで必要になるのが、採用ファネルの考え方です。採用ファネルを使えば、スカウト送信、開封、返信、面談、選考、内定、入社といった一連の流れを可視化できます。これにより、「母集団が足りないのか」「メッセージ内容に問題があるのか」「面談体験に課題があるのか」といった点を、感覚ではなく構造として把握できるようになります。

採用ファネルの種類

採用ファネルは、以下の3つに分けられます。

  • パーチェスファネル
  • インフルエンスファネル
  • ダブルファネル

パーチェスファネル

パーチェスファネルとは、もともとマーケティング領域で使われてきた考え方で、人が商品やサービスを「知り、興味を持ち、比較し、購入に至るまで」の行動プロセスを段階的に捉えるフレームです。漏斗(ファネル)の形で表現されるのは、上流ほど人数が多く、下流に進むにつれて絞られていくためです。

この考え方が採用に応用されるようになり、「候補者が企業を認知してから応募・入社するまで」を整理する軸として、採用ファネルの中で最も一般的に使われています。

インフルエンスファネル

インフルエンスファネルとは、人が意思決定に至ったあと、その体験や評価が他者に影響を与え、新たな行動を生み出していくプロセスを捉える考え方です。パーチェスファネルが「意思決定に至るまで」を扱うのに対し、インフルエンスファネルは「意思決定のあとに何が起きるか」に焦点を当てています。

もともとはマーケティング分野で使われてきた概念で、購入者がレビューを書いたり、SNSで体験を共有したりすることで、次の購買者に影響を与える構造を示します。この考え方が採用にも応用され、候補者や社員の声が、次の候補者の意思決定に影響を与える流れとして捉えられるようになりました。

一般的な採用活動では、入社が決まった時点で一区切りと考えられがちですが、インフルエンスファネルの視点では、そこからが次の採用へのスタートになります。入社体験、オンボーディング、日々の働き方への満足度が、候補者の口コミや評判を通じて外部に伝わっていくからです。

ダブルファネル

ダブルファネルとは、パーチェスファネル(意思決定までの流れ)とインフルエンスファネル(意思決定後の影響の広がり)を一体として捉える考え方です。採用活動を「認知から入社まで」で終わらせず、「入社後の体験が次の採用につながっていく循環構造」として設計することを前提にしています。

従来の採用ファネルは、候補者が企業を知り、興味を持ち、応募し、選考を経て入社するまでを一直線の流れとして捉えていました。しかし現在の採用環境では、入社や選考体験が外部に共有され、その評価が次の候補者の意思決定に強く影響します。そこで注目されるようになったのが、上下(または左右)に連なる二つのファネルを組み合わせたダブルファネルという考え方です。

ダブルファネルの視点を持つと、採用活動の評価軸も変わります。応募数や内定率といった短期指標だけでなく、候補者体験や社員体験が中長期的にどれだけ採用に貢献しているかを考えるようになります。


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新卒の採用ファネル例

新卒採用のファネルは、中途採用と比べて意思決定までの期間が長く、接触回数が多いことが特徴です。そのため、各段階での体験設計が結果に大きく影響します。

最初の入口は「認知」です。学生が企業名を知る段階で、合同説明会、就活ナビサイト、大学のキャリアセンター、SNS、先輩社員の話などが主な接点になります。この時点では仕事内容まで深く理解していないことが多く、「名前を聞いたことがある」「なんとなく雰囲気を知っている」という状態がゴールになります。

次に訪れるのが「興味・関心」の段階です。認知した企業の中から、もう少し詳しく知りたい企業として候補に入るフェーズで、企業説明会、採用サイト、社員インタビュー記事、動画コンテンツなどが影響します。新卒の場合、この段階では「自分がこの会社で働くイメージが持てるか」が強く意識されます。

その後、「エントリー・プレエントリー」の段階に進みます。就活ナビ上でのエントリーや説明会予約、インターンシップ応募などがここに該当します。新卒採用では、いきなり選考ではなく、インターンやイベントを挟むことでファネルを一段深く設計するケースが多く見られます。

次の段階が「インターン・イベント参加」です。短期・長期インターン、ワークショップ、座談会などを通じて、企業理解と志望度を高めていきます。このフェーズは新卒ファネルの中でも特に重要で、体験の質がその後の選考参加率や内定承諾率に直結します。

そこから「本選考エントリー」に進みます。エントリーシート提出、適性検査、面接などを経て、企業と学生双方が相互に見極めを行う段階です。新卒の場合、能力だけでなく価値観や成長意欲、カルチャーフィットが重視されやすく、面接体験そのものが志望度を左右します。

最終盤が「内定・内定承諾」です。複数内定を持つ学生も多いため、条件面だけでなく、面談やフォロー面談、内定者イベントなどを通じて「ここで働きたい理由」を後押しするプロセスが必要になります。

そしてゴールが「入社・オンボーディング」です。新卒採用では、ここで終わりではなく、入社後の体験が次年度以降の採用に影響します。内定者や新入社員の声が、口コミや大学内の評判として広がり、次の学生の認知や興味の入口になるためです。

まとめると、新卒の採用ファネルは、認知 → 興味 → エントリー → 体験(インターン) → 選考 → 内定 → 入社という長い流れを前提に設計されます。

中途の採用ファネル例

中途採用のファネルは、新卒採用と比べて意思決定までのスピードが速く、候補者の主体性が高いことが特徴です。そのため、各段階で「情報のわかりやすさ」と「判断のしやすさ」が強く求められます。

最初の入口は「認知」です。求人媒体、スカウトメール、SNS、転職エージェント、知人からの紹介などを通じて、候補者が企業や求人の存在を知る段階になります。多くの候補者は転職活動の初期段階から複数社を並行して検討しており、ここでは「転職先の選択肢の一つとして認識されること」が重要になります。

次に「興味・検討」の段階に進みます。求人票を読み込んだり、採用サイトやコーポレートサイトを確認したりして、「この会社は自分に合いそうか」「今より良くなるか」を判断します。このフェーズでは、仕事内容の具体性、期待役割、報酬レンジ、働き方など、判断材料の不足が離脱につながりやすくなります。

その後、「応募・スカウト返信」に進みます。自ら応募するケースもあれば、スカウトに返信して面談に進むケースもあります。中途採用ではこの段階がボトルネックになりやすく、応募フォームの煩雑さや初期対応の遅さが、そのまま離脱要因になります。

次の段階が「選考・面談」です。書類選考、面接、カジュアル面談などを通じて、スキルや経験のマッチ度だけでなく、候補者側も企業の意思決定スピードや誠実さを見極めています。中途の場合、面接体験そのものが企業評価に直結し、「ここなら安心して働けそうか」が強く意識されます。

選考を通過すると「内定・条件提示」の段階に入ります。中途採用では、年収、役割、評価制度、働き方などが具体的に比較されるため、条件の出し方や説明の仕方が内定承諾率を大きく左右します。複数内定を持つ候補者も多く、意思決定を後押しするためのフォロー面談や情報提供が欠かせません。

最終段階が「内定承諾・入社」です。承諾後も退職交渉や入社準備があり、この期間のコミュニケーションが不十分だと辞退につながるケースもあります。入社後のオンボーディング体験は、その人自身の定着だけでなく、口コミや評判として次の候補者に影響を与えます。

まとめると、中途採用のファネルは、認知 → 興味・検討 → 応募/スカウト返信 → 選考 → 内定 → 承諾・入社という構造を持ちます。

採用ファネルを活用するメリット

採用ファネルを活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

採用活動を客観的に見られる

採用ファネルを活用する最大のメリットのひとつが、採用活動を主観や感覚ではなく、客観的に捉えられるようになることです。
採用はどうしても「応募が来ない」「良い人がいない」「忙しくて回らない」といった現場感覚で語られがちですが、ファネルを使うことで、その状態を構造として整理できます。

採用ファネルでは、認知から応募、選考、内定、入社に至るまでを段階ごとに分け、それぞれの人数や通過率を可視化します。これにより、「採用がうまくいっていない」という漠然とした状態が、「どの段階で、どれくらい人が減っているのか」という具体的な事実として見えるようになります。

たとえば、応募数が少ない場合でも、ファネルを見れば原因が一つとは限らないことが分かります。そもそも認知が足りていないのか、求人を見ても興味を持たれていないのか、応募フォームや初期対応で離脱しているのかといった違いが、数字として現れます。感覚だけで「求人票が悪い」「市場が厳しい」と判断するのではなく、データをもとに仮説を立てられるようになります。

採用活動のボトルネックが見つかる

採用ファネルを活用することで得られる大きなメリットのひとつが、採用活動のどこに問題があるのか、つまりボトルネックを特定できることです。採用がうまく進まないとき、多くの場合は「全体的に厳しい」「良い人がいない」といった曖昧な言葉で状況が語られがちですが、ファネルを使うと問題を構造として切り分けられるようになります。

採用ファネルでは、認知、興味、応募、選考、内定、入社といった各段階を分けて人数や通過率を確認します。すると、全体の母数が不足しているのか、特定の段階で急激に人数が減っているのかが一目で分かります。これにより、「どこが詰まっているのか」を感覚ではなく事実として捉えられるようになります。

たとえば、認知から応募への移行率が極端に低ければ、求人の見せ方や訴求内容に課題がある可能性が高いと判断できます。一方で、応募は集まっているのに面接通過率が低い場合は、要件設定が厳しすぎる、あるいは選考基準が現場と合っていないといった構造的な問題が疑われます。さらに、内定承諾率が低ければ、条件提示や動機づけ、フォロー体制がボトルネックになっていることが見えてきます。

重要なのは、ボトルネックが一つとは限らない点です。採用ファネルを継続的に見ていくことで、これまで見えていなかった複数の詰まりや、時期によって変化する課題にも気づけるようになります。これにより、「とりあえず応募数を増やす」といった短絡的な打ち手ではなく、最も効果の出やすい箇所に集中して改善を行えます。

また、ボトルネックが明確になることで、改善施策の優先順位も自然と定まります。採用活動は限られた時間やリソースの中で行われるため、すべてを一度に改善することは現実的ではありません。ファネルによって詰まりの大きい部分が分かれば、そこに人手や予算を集中させる判断が可能になります。

このように、採用ファネルは採用活動を細かく分解し、「うまくいっていない理由」を具体的に示してくれます。採用活動のボトルネックを可視化し、的確な改善につなげるための土台として、採用ファネルは非常に有効なフレームだと言えます。

採用コストの削減につながる

採用ファネルを活用すると、採用活動にかかるコストを感覚ではなく構造として把握できるようになり、結果として無駄な支出を減らすことにつながります。採用コストが膨らむ原因の多くは、「どこにどれだけ投資して、どこで無駄が発生しているのか」が見えていないことにあります。

さらに、採用ファネルはチャネルごとの費用対効果を判断する材料にもなります。単純な応募単価ではなく、内定や入社までを含めた成果で比較できるため、見かけ上の数字に惑わされにくくなります。これにより、成果につながらないチャネルへの投資を減らし、効果の高いチャネルにリソースを集中させる判断が可能になります。

採用ファネルでは、認知から入社までの各段階に人数と通過率が紐づきます。これにより、たとえば求人広告費やスカウト送信数、エージェント手数料といったコストが、どの段階で効果を発揮しているのか、あるいは発揮していないのかを整理できます。単に「広告費をかけている」「スカウトを大量に送っている」という状態から、「その投資が次の段階にどれだけつながっているか」を確認できるようになります。

採用チャネルの最適化ができる

採用ファネルを活用すると、求人媒体、スカウト、エージェント、採用サイト、SNSなどの採用チャネルを横並びで評価し、最適化できるようになります。多くの企業では、複数のチャネルを併用しているものの、「とりあえず使っている」「去年も使ったから続けている」といった理由で選ばれているケースも少なくありません。

採用ファネルの視点を持つと、各チャネルがどの段階に強いのか、どこで弱いのかが明確になります。あるチャネルは認知には強いが応募につながりにくい、別のチャネルは母集団は小さいが内定承諾率が高い、といった違いが、感覚ではなく数字として見えてきます。

採用活動の説明ができる

採用ファネルを活用することで、採用活動の状況や課題を関係者に分かりやすく説明できるようになります。採用は感覚的な表現になりやすく、「厳しい」「応募が少ない」「良い人がいない」といった言葉だけでは、現状や打ち手が正確に伝わりません。

採用ファネルは、認知から入社までの流れを段階ごとに分解し、人数や通過率として示します。言葉だけの報告ではなく、構造と数字を使って説明できるため、状況理解のズレが生まれにくくなります。

とくに経営層や現場責任者への説明においては、「結果」だけでなく「プロセス」を示せる点が重要です。採用できていない理由を、単に市場環境や人材不足のせいにするのではなく、「認知から応募への転換率が低い」「内定承諾の段階で離脱が多い」といった形で説明できるようになります。

また、採用ファネルは人事と現場、経営の間にある認識のギャップを埋める役割も果たします。現場は「早く人が欲しい」と考え、人事は「母集団が足りない」と感じている場合でも、ファネルを共有すれば、どの工程に時間がかかっているのか、どこに協力が必要なのかが明確になります。採用活動を個人の努力や根性論ではなく、組織全体の課題として説明できるようになります。

さらに、採用ファネルを使えば、施策の妥当性も説明しやすくなります。なぜ新しい媒体を使うのか、なぜ選考フローを変えるのかといった判断を、「この段階の通過率を改善するため」という形で示せるため、周囲の納得感を得やすくなります。採用施策が場当たり的に見えなくなる点も大きなメリットです。


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採用マーケティングにおける採用ファネルの階層に合わせた施策例

採用マーケティングにおける採用ファネルの各階層に合わせた施策例を、段階ごとに説明します。

認知

このフェーズの目的は「存在を知ってもらうこと」です。

  • 求人媒体・就活ナビへの掲載
  • 採用広報記事(会社紹介・事業紹介)
  • SNS運用(X、Instagram、YouTube、noteなど)
  • 合同説明会・イベント登壇
  • 社員による発信、リファラル経由の露出
  • プレスリリース、オウンドメディア発信

興味・関心

興味・関心フェーズでは、候補者は「この会社は自分に関係がありそうか」「もう少し詳しく知る価値があるか」を判断しています。認知段階よりも一歩踏み込んだ情報提供が必要になります。

  • 採用サイト・採用ページの充実
  • 社員インタビュー、1日の仕事紹介
  • カルチャー・価値観・働き方コンテンツ
  • カジュアル面談
  • 会社説明会、オンライン説明会
  • YouTube・動画コンテンツ

応募

  • 分かりやすい求人票、期待役割の明確化
  • 応募条件・必須要件/歓迎要件の整理
  • 応募フォームの簡略化
  • スカウト文面の最適化
  • 応募後の選考フローの明示
  • 「まずは話を聞くだけOK」など心理的ハードルを下げる導線

選考

選考フェーズでは、企業が候補者を見極めるだけでなく、候補者も企業を評価しています。

  • 面接官トレーニング
  • 面接での事業・ポジション説明の強化
  • 選考スピードの改善
  • カジュアル面談と選考面接の使い分け
  • 選考中のフォロー連絡、情報提供
  • 一方的にならない双方向コミュニケーション

内定

内定フェーズでは、候補者は複数の選択肢を比較しながら最終判断を行っています。この段階では条件面だけでなく、「ここで働く意味」や「安心感」が大きな判断材料になります。

  • オファー面談の実施
  • 条件・評価制度・役割の丁寧な説明
  • 配属先メンバー・上司との面談
  • 内定者向けコンテンツ、内定者イベント
  • 不安や懸念点を解消する個別フォロー

入社

入社フェーズは採用ファネルの終点であると同時に、次の採用の起点でもあります。入社後の体験が、口コミや評判として次の候補者に影響を与えるためです。

  • オンボーディングプログラム設計
  • 入社後フォロー面談
  • 早期活躍を支援する育成・OJT
  • ギャップを防ぐ情報提供
  • 社員体験の質向上(定着・満足度向上)

採用ファネルを用いた分析・改善方法

ステップに分け、採用ファネルを用いて採用活動を分析、改善する方法をお伝えします。

ステップ1.現在の採用活動を段階に分ける

最初に行うべきことは、いま自社が行っている採用活動を、そのままの実態に即して分解することです。一般的なテンプレートに当てはめるのではなく、自社の採用フローを起点に「認知」「興味・関心」「応募」「選考」「内定」「入社」といった形で段階を整理します。

新卒なのか中途なのか、スカウト型なのか応募型なのかによって、必要なステップは変わります。ここでは粒度を揃えることが重要で、曖昧な工程や重複している工程があれば整理し、誰が見ても同じ理解になる構造をつくります。

ステップ2:各ステップに人数と推移率を当てはめる

次に、分けたステップそれぞれに実際の数字を当てはめます。
たとえば、ある月の実績が次のようだったとします。

求人を読んだ人が300人、応募が60人、一次面接が20人、最終面接が8人、内定が3人、入社が1人。

このように人数を並べることで、「300→60→20→8→3→1」というファネルが見えるようになります。さらに、「求人閲覧から応募への推移率は◯%」「一次面接から内定への推移率は◯%」といった形で、各段階のつながりを数値で把握します。

ステップ3:数字を俯瞰し、違和感のある箇所を見つける

人数と推移率を並べると、自然と極端に落ちている箇所や、不自然に時間がかかっている工程が見えてきます。「なぜここで減っているのか」「なぜこの工程だけ重たいのか」を問い続けることが重要です。

市場環境の影響なのか、求人内容の問題なのか、選考体験や対応スピードの問題なのかを切り分けながら、構造的な違和感を洗い出します。

ステップ4:ボトルネックをプロセスとして言語化する

違和感のある箇所が見えてきたら、そこを採用活動のボトルネックとして定義します。この段階では、「応募が少ない」といった結果ではなく、「認知から興味への移行が弱い」「内定から承諾への転換が低い」といったプロセスとして言語化することが重要です。

そのうえで、なぜその工程が詰まっているのかについて仮説を立てます。仮説は一つに絞る必要はなく、複数出して構いません。

ステップ5:ボトルネックに直接効く改善策を考える

仮説が立ったら、ボトルネックに直接効く最小単位の改善策を考えます。

求人票の一部修正、面接での説明内容の見直し、初回連絡スピードの改善など、短期間で検証できる打ち手を優先していきましょう。

ここで重要なのは、「ファネルのどの推移率を改善したいのか」を明確にしたうえで施策を設計することです。

ステップ6:改善後に再度ファネルを確認する

施策を実行し、再びファネルごとの数値を確認します。
もし改善が見られなければ、仮説が間違っていた可能性を考え、別のボトルネックに目を向けます。このように、採用ファネルは一度作って終わりではなく、繰り返し更新することで精度が高まります。


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監修者

株式会社ノックラーン代表取締役 福本 英

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。


こちらの記事の監修者

株式会社ノックラーン代表取締役

福本 英Fukumoto Akira

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。

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