特集記事 2026.06.02

AI人材の採用プロフェッショナルに聞く、ディープテック領域の「最新」採用戦略。転職市場にいない希少人材を、論文やSNSから探し出す方法

AI人材の採用プロフェッショナルに聞く、ディープテック領域の「最新」採用戦略。転職市場にいない希少人材を、論文やSNSから探し出す方法

取材のご紹介

このたび、エンジニア採用プラットフォーム「LAPRAS」を運営する株式会社LAPRASが運営するメディア「HR Tech Lab」にて、代表・福本および採用ディレクター・永田がインタビューを受けました。

ディープテック領域における採用戦略や、転職市場にいない希少人材へのアプローチ方法について詳しくお話しした内容を、以下にてご紹介します。

LAPRAS社の元記事はこちら


この記事でわかること

・ディープテック領域のAI人材採用が難しい理由と、その本質的な打ち手
・論文・学会・SNSを活用した「データベース外」へのアプローチ手法
・アカデミア層を正社員化につなげるグラデーション型採用のプロセス
・数理アルゴリズム・自然言語処理など、希少人材採用の具体的な成功事例
・AI採用市場の今後の動向と、採用担当者が今すぐ取るべきアクション


《インタビュイー紹介》

福本 英(ふくもと あきら):株式会社ノックラーン 代表取締役CEO

九州大学経済学部を卒業後、2021年4月に株式会社ビズリーチに入社し、スタートアップや外資系企業、日系大手企業など幅広い企業の中途採用コンサルティングを担当。その後、2022年3月に株式会社ノックラーンを創業し、代表取締役に就任。2024年12月には株式会社エアトリへグループインし、現在はエアトリ子会社代表としても活動しながら事業を牽引している。

永田 衛(ながた まもる):株式会社ノックラーン Recboo事業部 ディレクター兼リクルーター

パーソルキャリア株式会社にて両面型エージェントとして、数万名規模の大手企業から1桁人数のベンチャー企業まで幅広く採用を支援。新人賞や全国MVP等を受賞し、部署史上最速でユニットリーダーに着任した実績を持つ。現在は株式会社ノックラーンにて、ディレクターおよびリクルーターとして企業の採用戦略設計から実行まで幅広く伴走している。


はじめに

AI技術の進化に伴い、AIを活用してプロダクトの価値を高めたいという企業のニーズが大きな高まりを見せています。

しかし、AI・機械学習、なかでもディープテックなどの先端技術に関わる人材は、採用データベースでは候補者の母数が非常に希少です。そのため多くの企業では、限られた候補者をいかに探し出し、アプローチするかが大きな課題となっています。

AI人材採用、特にディープテック領域での採用支援に強みを持つ、代表取締役CEOの福本・Recboo事業部ディレクターの永田の2名が、今回のインタビューを受けました。

二極化するAI人材市場のリアルなニーズから、論文やSNSを駆使してデータベースの外にいる層へアプローチする独自メソッド、そして具体的な採用成功事例まで、採用担当者の方にぜひ知っていただきたい内容をまとめています。

スタートアップ特化の採用支援と、HR領域のAI開発を展開

――まずは、ノックラーン社の主な事業内容や提供しているサービスについて教えてください。

福本:ノックラーンは、現在大きく分けて2つの事業を展開しています。

1つ目のメイン事業は、資金調達を行っているスタートアップ企業様を中心とした採用支援です。具体的には、待つだけでなく企業側から直接アプローチするダイレクトリクルーティングや、人事だけでなく経営陣や現場も深く関与する体制づくり、そして採用競争を勝ち抜くための採用のスピード感といった要素を軸としています。

――そういった手法は、スタートアップ以外の企業でも有用そうですね。

福本: そのとおりです。たとえば上場企業や大手企業であっても、シニア層のエンジニアやAI・DeepTech領域といった獲得競争が激しい希少人材を採用する場面では、企業側から直接アプローチし、現場を巻き込みながらスピード感を持って進めるスタートアップ型のアプローチ(“スタートアップ型採用”)は、上場企業をはじめとした多くの企業の中途採用において有効です。

こうした考え方に基づき、採用コンサルティングから採用代行までを一気通貫で行う「Recboo(リクブー)」という事業を展開しています。

2025年7月からは、2つ目の事業の柱としてHR領域に特化したAIコンサルティングおよびAI受託開発を行う「AlgorHRm(アルゴエイチアール)」もスタートしています。

弊社自体はプライム上場企業である株式会社エアトリのグループ会社であり、グループ内ではHRコンサルティング事業を展開する子会社という立ち位置になっています。

カスタマーサクセスや組織コンサルの知見を現在の採用支援に還元

――続いて、お二人のこれまでのご経歴について教えてください。過去のキャリアが現在のお仕事にどのように生かされているのでしょうか。

福本:私は2021年に新卒でビズリーチに入社し、カスタマーサクセス(CS)部門でスタートアップから準大手企業まで幅広く採用支援を行っていました。その後、2022年3月にノックラーンを創業しています。

過去にはファンドで働いていた経験もあり、スタートアップ投資側の視点と、HRの知見を掛け合わせたときに「まだまだ採用力を高めきれていない企業が、特にスタートアップに多い」という点に着目したんです。

そこで、スタートアップに特化する形で、まずは自分自身がリクルーターとして入り込みました。そこで蓄積したノウハウや知見は、多くの企業に広く展開できるものだと確信し、現在のサービス展開へと繋がっています。

――採用領域で培われた知見と投資側の視点が、現在の事業のベースになっているのですね。永田さんはいかがでしょうか?

永田:私は新卒でパーソルキャリアに入社し、「doda」ブランドで主に製造業のお客様をメインに、企業と求職者の両方を担当する両面型の転職エージェントとして約3年ほど勤務しました。

その後、デロイトトーマツコンサルティングに転職し、組織人事領域のコンサルタントとして従事しました。その後独立してフリーランスとなり、スタートアップのお客様を中心に、一部エンタープライズ企業様もご支援させていただきながら、採用コンサルティング・採用支援をメインに行っています。

採用戦略の設計・ニーズに適した採用チャネルの選定から、選定したチャネルの運用、エージェントとのリレーション構築など、お客様のニーズに応じて幅広い領域を担当しております。

――永田さんも一貫して採用・転職の領域で活動されており、その経験が現在の業務に直結されているのですね。

事業や技術への深い理解から生まれる独自のアプローチ

――エンジニア採用支援を行うにあたり、ノックラーンならではの強みや介在価値はどのような点にありますか?

福本: 一般的な採用媒体の運用だけでなく、採用難易度が極めて高い、ニッチな人材へのアプローチを得意としている点です。

今回お話しするAIエンジニア、ディープテック領域の人材をはじめとする非常に優秀な方々は、そもそも転職データベースへの登録が薄く、リファラルで転職先を探す傾向が強くあります。そうした層を採用するためには、既存のデータベース内で待っているだけでは不十分です。

そこで私たちは、論文や技術報告書、学会、研究室、勉強会、テックブログといったオープンなデータから、お客様の求める技術要件に近い方々をピックアップし、直接お声がけして対話を行うという、いわば「ヘッドハンティングに近いやり方」も行っています。

事業や技術への高い解像度がないと難しい領域にまで踏み込んでご支援できる点は、他社にはない大きな強みだと自負しています。

――一般的なデータベースにはいない層までターゲットを広げ、自ら探しに行くのですね。永田さんはいかがでしょうか。

永田: 私たちはお客様の採用ニーズに応じて、幅広い媒体の中から「どの媒体を使うべきか」といった前提となる知見・経験を深く持っていると自負しております。

それに加えて、福本がお話ししたような研究室や論文を通じたアプローチにおいても、「御社の場合なら、この研究室の方にアプローチするのが良いのではないか」といった具体的なご提案が可能です。

もちろん、技術的な知見においてはお客様の方が深い場合も多いため、CTOやエンジニアリングマネージャー、代表の方々としっかりと壁打ちをさせていただきます。その上で「この論文を書いている方にアプローチしましょう」と、能動的で質の高いアプローチを仕掛けていける点が私たちの強みですね。

確かな信頼がスピード感のある採用成功につながる

――クライアント企業の採用を成功に導くために、戦略設計や現場との連携において工夫していることはありますか?

福本: プロジェクトの初期段階で「いかに早くクライアントからの信頼を獲得するか」を最重要視しています。

速やかに採用を成功に導くためには、私たちが成果を出すのはもちろんですが、同時にクライアント自身にも「ノックラーン(Recboo)になら時間を使ってもいい」と思っていただき、採用活動へのコミットを引き出すことが不可欠です。

そのため、お客様の指示を待つのではなく、戦略の策定から実行まで、基本的には私たちがボールを持ちながらプロジェクトを推進します。お客様に対応いただきたい部分は期限を区切ってディレクションし、スピード感を持って取り組みをリードしながら、初期の段階から「スカウト返信数」や「カジュアル面談数」といった目に見える成果を追いかけていきます。

「確かな成果につながりそうだ」という感触が伝わると、お客様も採用に対してより時間を使ってくださるようになり、スピードも格段に上がります。こうした良い循環を生み出すことが、採用成功の最大の鍵ですね。

――採用を成功させるための戦略として、ペルソナ設計についてはどのようにお考えですか?

福本: ペルソナの設計と「再設計」には非常に重きを置いています。というのも、お客様からいただいた採用要件が、必ずしも市場感と合致して正しいとは限らないからです。まずは仮説をもとにサンプルを作り、お客様からのフィードバックをいただきながらクイックに軌道修正をかけていきます。

また、1つの求人に対してもペルソナを細かく分類し、「このターゲットには自社のどういった部分がアトラクトになるのか」を細かく切り分けています。そこまで解像度を上げてスカウトの文面などに落とし込んでいかなければ、本当に欲しい人材からの反応は得られないと考えています。

二極化するAI人材ニーズと求められるソフトスキル

――現在のITエンジニア採用市場、特にAI関連技術の進化に伴う企業側のニーズの変化をどう捉えていますか?

永田: 一言で言えば、「優秀な人材の熾烈な取り合い」です。たとえばLLMの知見を持つ方や、それらに関連して使われるフレームワークであるLangChainを扱える方など、特定の新しい技術スタックを持つ人材に各社のニーズが集中し、完全にレッドオーシャンと化しています。知名度のないスタートアップが、そうした人材を大手企業と奪い合うのは非常に厳しい状況です。

福本: 私としては、AIエンジニアに対する企業ニーズは「ディープテック領域」と「アプリケーションレイヤー」の2つに大きく分かれていると捉えています。

後者のアプリケーションレイヤーは、既存のAIモデルをうまく繋ぎ合わせてスピーディーに実装できる人材です。こちらは非常に多くの企業が求め始めているため、永田が言うように取り合いが激化しています。

一方で、私たちが得意とするディープテック(深層学習など)領域は少し状況が異なります。非常にニッチな研究開発系の技術者を求める領域であり、世の中の求人数自体がそこまで多いわけではありません。そのため、ターゲットを絞り込んでいくと「市場から完全に枯渇しきっているわけではない」という感覚を持っています。

――ディープテック領域は、レッドオーシャンとは少し異なるのですね。

福本: はい。大手企業で研究開発を行っている優秀な技術者が、スタートアップが挑む最先端のニッチな領域に惹かれて転職してくるケースも少なくありません。候補となる人材がいないというよりも、「(国内外を含めて)適切な候補者がどこにいるのか、どうやって探し出し、どうアプローチするのか」という点のほうが難易度が高い領域だと言えます。

正社員エンジニアへ求められる「ビジネス理解」と「課題解決力」

――技術の進化に伴い、ITエンジニアに求められる資質にはどのような変化を感じていますか?

永田: 「開発のマンパワーだけが必要なら、業務委託で十分」という考えの企業が増えている感触があります。だからこそ、正社員としてエンジニアを採用する場合には、技術力だけでなく「事業成長へのコミットメント」や「カルチャーフィット」といったソフトスキルがより強く求められるようになっています。

特にリードエンジニアやCTO候補となるような方には、ただ開発するだけでなく、経営層と目線を合わせながらプロダクトの方向性を決め、全体最適を考えて粘り強く推進できるビジネス理解やバランス感覚が必須になっています。

福本: さらに付け加えると、コーディング自体はAIである程度できてしまう時代になってきています。そのため、これからは「顧客とコミュニケーションを取りながら課題を発見し、技術で解決して事業に実装していく力」がより重要になります。

つまり、一人で黙々と好きな技術領域だけをやる「職人型エンジニア」よりも、顧客やチームと並走・協創できる「顧客伴走型エンジニア」が求められています。昔に比べて、コミュニケーション能力やビジネス理解を持たない方の採用ハードルは、明らかに高くなっていると感じますね。

ディープテック領域の具体的な採用成功事例

ここからは、実際に支援して採用成功に結びついた代表的な事例と、そのプロセスにおける具体的な工夫について伺いました。

事例①:データベースに「いない」アカデミア層の採用(数理アルゴリズム・画像認識エンジニア)

――永田さんが担当された、ディープテック領域での採用成功事例について教えてください。

永田: 数理アルゴリズムや画像認識(2D画像から3Dモデルを生成するような技術など)を専門とするエンジニアの採用事例です。

このポジションにおける最大の課題は、「ターゲットとなる人材が採用市場に全くいない」ということでした。そもそも、大学や公的機関でそうした最先端の研究に取り組んでいる方々は、自分の研究内容がそのままプロダクトの実装に活かせる企業が存在することを知らないケースが多いのです。

実際、大手のスカウト媒体で最終ログイン日を問わずに検索しても、国内で100名程度しかヒットしないほどニッチな領域でした。

――採用市場にほとんどいない人材に対して、どのようにアプローチしたのでしょうか。

永田: クライアントの代表とディスカッションを重ね、「この研究室の出身者であれば要件を満たす」「この特定の技術(NeRFや3D Gaussian Splattingなど)に関する論文や記事を書いている方なら可能性がある」といったターゲットの解像度を上げていきました。

その上で、私が実際に論文やZennなどの技術記事、学会の発表内容などを読み込み、要件に合致しそうな方をピックアップしていきました。アプローチの手段も、メールだけでなく、大学名と氏名で検索してヒットしたLinkedInやX(旧Twitter)、FacebookなどのSNSアカウントへ直接DMを送るという手段を取りました。

――DMについて、返信率を高めるための工夫はありましたか?

永田: メールの見落としや警戒心を持たれることも多いため、大前提として幅広くサーチし、可能性のある方には積極的にお声がけをすることで数を担保することが必要です。

その上で返信率を高めるために、「必ず1to1でカスタマイズしたメッセージを送る」ことを徹底しました。例えば「〇〇という論文(記事)で、あなたがこのような研究をされているのを拝見しました。その知見が、弊社のこのプロダクトの〇〇という課題解決にダイレクトに活かせると思い、ご連絡しました」など、なぜその方にお声がけしたのかを明確に伝えることで、少しでも興味を持ってもらう工夫をしました。

――採用の「決め手」となったポイントは何だったのでしょうか?

永田: アトラクトの観点では、「アカデミアでやっていた研究が、そのままビジネスのプロダクトに活かせる」という点が最大の決め手になりました。国内に競合がほとんどいない領域だったこともあり、研究者にとって非常に魅力的な環境を提示できたと思います。

また、選考フローにおいても、初期接点から「代表面談確約」という形でスピーディーに進めました。代表自らが初期面談に入り、「あなたの経歴であれば、弊社のプロダクトでこういう経験が積めます」と直接、熱量高く説得していただいたことが大きかったですね。

私自身も人事面談という形で選考に入り、VCの方にも面談に同席いただくなど、多角的な視点から候補者のキャリア観に寄り添った情報提供とアトラクトを行ったことが、採用成功に繋がりました。

事例②:自然言語処理・音声認識領域における「ハードルを下げる」採用術

――続いて、福本さんが担当された採用成功事例について教えてください。

福本: はい。こちらもアプリケーションレイヤーではなく、基盤となる最先端のモデルから自社で構築できる、アカデミアの深い知見を持った方の採用事例です。具体的には、自然言語処理・音声認識・音声処理などで論文を出しているような方を探して、採用に成功しました。

クライアントの社内にはそうした人材が多くなかったため、外部から採用する必要があったのですが、この層もやはり既存の採用データベースにはほとんど存在していませんでした。

――そこからどのようにアプローチをかけていったのでしょうか?

福本: 先ほどの永田の事例と同様に、論文や研究室、学会など、データベースに頼らないオープンデータからのサーチや、リファラルをメインに行いました

また、当時のクライアントの場合は、「若手自然言語処理研究会(YANS)」や「人工知能学会」といった学会にスポンサーとして出展していました。私たちはそこに集まってくる学生や社会人のAI人材、論文を発表している方々に対して、現地で直接声をかけ、食事にお誘いするなどして、まさに「現地で直接探す」という非常に泥臭いアプローチも行っていました。

現在、すべてのクライアントで同様の支援を行っているわけではありませんが、当時はそういった動きも戦略に組み込んでいました

――非常に能動的ですね。そうした初期接点から、最終的な入社に至るまでにはどのようなプロセスがあったのでしょうか?

福本: この領域の方々は、現在もアカデミアで研究を続けている方も多いため、いきなり「正社員として転職しませんか」と打診してもハードルが高く、うまく進みません。

そのため、まずは「ハードルを下げて、ライトな関わり方からスタートする」ことを心がけました。

具体的には、いきなり転職を勧めるのではなく、「特定のテーマについて、ディスカッションパートナーとして一緒に取り組んでくれませんか?」とお願いしたり、大学の教授などであれば共同研究を提案したりしました。また、稼働時間を抑えた業務委託という形で、まずは一つのプロジェクトに参画してもらうケースも多かったです。

――まずは「技術的な関わり」からスタートするのですね。

福本: そうです。そうして一緒に働く中で、相互理解を深めていきます。「この会社のビジョンや、社会課題の解決に自分の技術がどう活きるのか」「社内の優秀なエンジニアと一緒に働くことで、自分にも刺激があるか」といった点を、実務を通じて感じてもらうのです。

そうして「もっと本腰を入れてコミットしたい」と双方が思えたタイミングで、正社員化へと引き込んでいく。このグラデーションのあるアプローチが、アカデミア層など難易度の高いAI人材を採用する上での大きなポイントだと考えています。

AI関連職種は、よりニッチな層のニーズが高まっていく

――最後に、今回お話しいただいたAI関連の職種について、今後の採用市場でのニーズやアプローチ方法はどのように変化していくと考えていますか?

永田: AI技術の発展に伴い、企業が求めるニーズはより細分化していくと考えています。

これまでは「AIエンジニアが欲しい」という大まかな括りでしたが、今後は「画像認識の中でも点群処理ができる方」「ロボットに搭載するAIモデルを作れる方」といったように、よりニッチで専門的なスキルが求められるようになるはずです。

だからこそ企業側は、自社のプロダクトが何を解決するのか、それに適した技術は何なのかを明確にし、「求める人物像」の解像度が高い求人票を作っていく必要があります。

福本: 永田が言うように、ディープテック領域では細分化が進んでいくと考えています。一方で、アプリケーションレイヤーでは「AIを汎用的に活用できる人材」へのニーズも絶えることはないでしょう。

しかし、AI技術は日進月歩であり、一般的な企業が社内だけで最新のトレンドをすべて追い続けるのは現実的ではありません。そのため、最先端の知見を持ったAI専門人材の市場価値は今後ますます高まっていくはずです。

レッドオーシャンを抜け出し、AI人材の採用を成功させるためには

――今後、AIエンジニア層の採用に注力したいと考えている企業に向けて、つまずきがちなポイントやその対策を教えてください。

永田: 「一般的な採用手法を完全に回しきったとしても、採用できないケースが増えてくる」という前提を持つことです。

もちろん、一般的な採用媒体やエージェントを活用することは重要ですが、それだけを続けていても「レッドオーシャンの中で人が採れない」と嘆く結果になりがちです。

もし自社だけで壁にぶつかっているのであれば、私たちのような外部の専門的な知見を持つパートナーにアウトソースし、今回ご紹介したような論文検索やSNSからのDMといった、よりな個別的なアプローチを試みることも、結果的には近道になると思います。

福本: ディープテック領域で自社にマッチする人材を探し出すためには、そういった特殊なアプローチが非常に重要になります。

一方で、非ディープテックの領域においては、必ずしも「正社員の直雇用」にこだわる必要はないかもしれません。AI人材は市場全体で非常に数が限られているため、「社内で内製化する部分」と、業務委託など「外部のAI専門人材の知見を頼る部分」の役割分担を明確に定義し、柔軟な組織体制を築いていくことも、これからのAI時代には強く求められると思います。

――新しい採用手法や柔軟な外部人材の活用が、レッドオーシャンを抜け出す鍵になりそうですね。最後に、AI人材の採用に悩む企業の皆様へメッセージをお願いします。

福本: 今回は特にディープテック領域の事例を多くお話ししましたが、私たちがご支援しているのはディープテックだけではありません。一般的なAIエンジニアはもちろん、AIプロダクトマネージャーやAIコンサルタントなど、AIに関わる幅広い職種の採用をご支援しています。 企業様が求める人材に合わせて、アプローチの手法や魅力の伝え方も柔軟に変えて伴走しますので、「自社が求めるAI人材がどこにいるかわからない」「どうやってアプローチしていいか迷っている」という企業様は、ぜひ肩の力を抜いて、まずは気軽に私たちにご相談いただければ嬉しいです。

――本日は実践的なノウハウをたくさんお話しいただき、ありがとうございました!


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こちらの記事の監修者

株式会社ノックラーン代表取締役

福本 英Fukumoto Akira

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。

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