採用予算の決め方とは?相場観やコストを抑えるコツも解説
採用活動を進める上で、予算決めに悩んでいるスタートアップやベンチャー企業も少なくありません。予算の立て方を間違えると、資金繰りや現場の工数が先に苦しくなります。
本記事では、採用予算の考え方を押さえたうえで、採用予算の決め方や相場観、ポイントなどを分かりやすく解説します。また、採用コストを抑える改善ポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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採用予算とは
採用予算とは、人を採用するために会社が事前に用意しておく費用の上限を指します。採用予算には、求人広告費や人材紹介会社への手数料だけでなく、採用管理ツールの利用料や面接時の交通費、入社後の研修にかかる費用なども含まれます。
また、面接対応や選考準備にかかる社員の時間も、金額としては表れにくいものの、採用活動に必要なコストとして考えておくと良いでしょう。
採用予算の決め方
ここでは、採用予算の決め方を7つのステップに分けて紹介します。
①採用の目的と優先ポジションを決める
まず、なぜ今採用をするのかをはっきりさせましょう。売上を伸ばすためなのか、開発スピードを上げるためなのか、退職者の補充なのかによって、求める人物像や急ぎ度は変わってきます。目的があいまいなままだと、採用基準や予算の判断がぶれやすくなります。
次に、今の事業にとって特に重要なポジションを一つ決め、優先順位を付けてください。なお、すべての職種を同時に狙うと、予算も対応する時間も足りなくなりやすいです。
採用の目的と優先ポジションを整理しておくことで、どの手法にどれくらい費用をかけるかを判断しやすくなるでしょう。
②今期に採りたい人数とスケジュールを決める
採用予算は人数と期間で大きく変わるため、今期に何人採るかを先に決めましょう。
あわせて、いつまでに入社してほしいかの逆算も重要です。採用は求人公開から内定、入社まで想像以上に時間がかかるため、余裕のない日程だと追加費用が発生しやすくなります。
また、四半期ごとに採用人数の目安を置き、月単位で採用活動の山場を作ると進捗を管理しやすいでしょう。スケジュールが決まると、広告を出す時期や紹介会社の活用範囲も見えてくるはずです。
③毎月いくらまでなら採用に使えるかを決める
採用は結果がすぐに出るとは限らないため、事前に毎月いくらまでなら無理なく使えるかを決めておくことが大切です。月ごとの固定費や開発費、広告費などを確認したうえで、採用に回せる金額の目安を出しましょう。
スタートアップでは短期間で成果を出したくなりますが、上限がない状態で予算を使うのはリスクが高いです。たとえば、通常は月30万円まで、採用を急ぎたい時期は50万円までといった形で、あらかじめ幅を持たせておくと判断しやすくなります。
上限が明確であれば、求人媒体を追加するか、スカウトを強化するかといった判断も落ち着いてできるでしょう。
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④1人採用するのにいくらかかりそうかを算出する
次に、1人あたりの採用コストの目安を出します。人材紹介なら理論年収の何%、求人広告なら掲載費、スカウトなら送信単価と返信率など、手法ごとの費用構造を整理しましょう。
ここで大事なのは、手数料だけでなく、面接にかかる交通費やツール費、選考対応に使う時間も含めて見積もることです。職種によって相場は変わるので、優先ポジションごとに別で置くと精度が上がります。
⑤必要な応募数から逆算して全体像を描く
予算を考えるときは、必要な応募数から逆算すると現実的な金額になりやすくなります。たとえば、内定承諾率が50%、内定率が10%、書類通過率が30%と仮定すると、1人を採用するためにどれくらいの応募が必要かをイメージできるでしょう。
過去の採用データがない場合は、まず目安となる数字を置き、採用活動の進み具合を見ながら調整していきましょう。応募数の見通しが立つと、求人広告の表示回数やスカウトの送信数など、どれくらい動けばよいかも考えやすくなります。
採用がうまく進まない理由は、応募数が足りていないケースが多いため、最初に全体の流れを整理しておくことで、無駄な試行錯誤を減らせるでしょう。
⑥採用手法ごとに予算を割り振る
全体の予算感がつかめたら、採用手法ごとに使う金額を決めていきましょう。求人媒体、スカウト、人材紹介などの中から、採用したい職種やレベルに合うものを選ぶことが大切です。
例えば、即戦力のエンジニアであればスカウトや人材紹介を中心にし、若手の営業職であれば求人媒体を軸にするなど、職種ごとに使い分けると費用の無駄を抑えやすくなります。
また、1つの手法だけに頼ると、うまくいかなかった場合に他の選択肢がなくなってしまいます。そのため、メインで使う手法と、補助的に使う手法をあらかじめ決めておくと安心です。
あわせて、一定期間成果が出なかった場合に別の手法へ切り替えるなど、判断の基準も用意しておくと、迷わず対応できます。
⑦途中で調整できるよう運用ルールを決める
採用活動は、計画どおりに進むとは限らないため、あらかじめ運用ルールを決めておくことが大切です。場当たり的に対応すると、判断が遅れたり、無駄な費用が出たりしやすくなります。
たとえば月末に応募数や面接数、内定数を確認し、目標に届いていなければスカウトを増やすなど、次に取る行動が分かる形にしておきましょう。
また、予算を追加する場合や一度止める場合に、誰が判断するのか、どこまで使ってよいのかを決めておくと、現場が動きやすくなります。さらに、どの数字を見て状況を判断するのかを共有しておくと、話し合いがしやすいでしょう。
採用予算の最新の相場観
採用予算の最新の相場観を、新卒採用や中途採用、採用手法別などに分けて紹介します。ぜひ参考にしてください。
新卒採用の採用予算相場
新卒採用の予算は、1人あたりおよそ80万〜120万円前後が目安とされています。説明会やナビサイトの掲載費、選考にかかる運営コストなどが積み重なり、総額が大きくなりやすい傾向があります。
知名度の高い企業は比較的抑えやすい一方、スタートアップやベンチャーでは母集団形成に工夫が必要なため、平均より高くなるケースもあります。
採用人数が少ない場合でも一定の固定費がかかるため、1人あたりの金額は上振れしやすい点を想定しておくと安心でしょう。
中途採用の採用予算相場
中途採用は手法による差が大きく、1人あたり職種によっては100-150万円を超えることもあります。
求人媒体中心であれば比較的抑えやすいですが、人材紹介を多く使うと一気に上がりやすくなります。特にエンジニアやマネージャークラスなどは競争が激しく、予算に余裕を持たせる必要があります。
平均値だけを見るのではなく、自社が採りたい職種の難易度を踏まえて目安を置くことが重要です。
採用手法別の採用予算相場
採用手法ごとに見ると、求人媒体は数万円から数十万円、スカウトはツール利用料と送信工数が中心になります。一方、人材紹介は成功報酬型が一般的で、理論年収の3割前後が相場とされています。
そのため、年収が高い職種ほど1人あたりの採用費用も高くなります。すべてを紹介に頼ると予算が膨らみやすいため、媒体やスカウトと組み合わせて使う企業が多いです。
どの手法をどこまで使うかで、全体の予算感は大きく変わります。
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企業規模別の採用予算相場
企業規模が大きくなるほど、年間の採用予算総額も増える傾向があります。ただし、スタートアップや小規模企業は採用人数が少ない分、1人あたりのコストが高く出やすい点が特徴です。
逆に、一定規模以上の企業では母集団を作りやすく、1人あたりの単価は安定しやすくなります。自社の規模に近い企業の事例を参考にしつつ、総額だけでなく1人あたりの視点でも相場を確認しておくと判断しやすくなるでしょう。
業種別の採用予算相場
採用予算は業種によっても差が出ます。ITやインターネット関連は専門職が多く、比較的高めになりやすいです。メーカーやインフラ系も技術職中心のため、一定の予算が必要になります。
一方、サービス業や販売職は比較的抑えやすい傾向がありますが、人手不足の業界では予算が上がることもあります。業界全体の人材需給を踏まえ、自社の立ち位置でどれくらい上乗せが必要かを考えると現実的でしょう。
採用予算を決める際の注意点
採用予算を決める際には、押さえるべき注意点があります。5つの注意点について解説するので、ぜひ参考にしてください。
採用費だけで判断すると資金繰りが苦しくなる恐れがある
採用予算を決めるときに、求人広告費や紹介手数料だけを見ていると、後から資金繰りが苦しくなることがあります。
採用活動では、交通費やツール利用料、入社後の研修費などの周辺コストも発生しますし、採用が長引けば追加の掲載やスカウト強化が必要になる場合もあります。
特にスタートアップは手元資金に限りがあるため、想定外の出費が続くと他の投資が止まりかねません。最初に総額の上限と、月ごとに使える範囲を決めておくと、無理のない計画にしやすくなります。
支払いタイミングや契約条件をしっかりと確認する必要がある
同じ金額に見えても、支払いのタイミングが違うだけで資金繰りへの影響は大きく変わります。求人媒体は掲載開始時に支払いが発生することが多く、人材紹介は入社決定後に成功報酬を支払う形が一般的です。
ただし、分割の有無や支払期限、早期退職時の返金条件などはサービスごとに差があります。契約内容を確認せずに進めると、想定より早い時点で大きな支払いが発生することもあります。
見積もりを取るときは、金額だけでなく条件もセットで比較しておきましょう。
面接やスカウト運用の工数を見落とすと採用コストが増えやすい
採用では、費用だけでなく社内の時間も多く使います。スカウト文面を考えて送る作業や、応募者への連絡、面接日程の調整などが積み重なると大きな負担になります。あらかじめ想定していないと、思った以上に時間を取られてしまうでしょう。
また、対応に使える時間が足りないと、返信が遅れたり、面接の予定が組めなかったりします。その結果、選考が進まず、採用が長引くことがあります。
そのため、誰がどの業務を担当するのかを決め、週にどれくらい時間を確保できるかを事前に整理しておくと良いでしょう。
優先条件・妥協条件を決めないと要件がブレる恐れがある
採用要件を詰めきらないまま募集を始めると、途中で条件が変わりやすくなります。たとえば経験年数や必須スキル、年収レンジが揺れると、候補者の探し方も評価基準もぶれてしまいます。
その結果、選考が長引いたり、出していた求人内容を作り直したりして、追加の費用や時間がかかることがあるのです。特にスタートアップは状況が変わりやすいので、最初から完璧に決めるのは難しいでしょう。
だからこそ、絶対に譲れない条件と、状況次第で広げられる条件を分けておくことが大切です。
定期的に進捗と着地を確認しないと予算不足に陥る場合がある
採用は、始めた後の状況確認が大切です。応募数や面接数、内定数を見ずに進めていると、思うように進んでいないことに気づくのが遅れやすいです。問題に気づいたときには、追加で施策を打つ必要が出てきて、予算では足りなくなる恐れがあります。
そのため、月に1回でも構わないので、今の数字と目標を比べて、今のペースで何人採用できそうかを確認しましょう。もし足りないと感じたら、求人媒体を増やすのか、スカウトを強化するのか、条件を見直すのかを早めに判断することが大切です。
早い段階で方向を決めておくと、余計な費用がかかりにくくなります。

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採用コストを抑えるためのポイント
ここでは、採用コストを抑えるためのポイントを紹介します。
採用要件を絞り込みムダな動きを減らす
採用コストを抑えたい場合は、まず採用要件を整理することが大切です。条件を詰め込みすぎると当てはまる人が少なくなり、応募が集まらずに広告を追加したり、スカウトを増やしたりする必要が出てきます。すると、想定以上に費用がかかるでしょう。
そこで、今の事業にとって本当に必要な条件を2〜3個に絞り、それ以外は入社後に身につけてもらえないかを考えてみましょう。年収や働き方の条件も、現実的な範囲にしておくと選考が進みやすくなります。
スカウト文面・求人票を改善して面接につながりやすくする
スカウト文面・求人票を改善して面接につながりやすくするのも、採用コストを抑えるためのポイントです。
同じ予算でも、求人票やスカウトの出来で面接につながる数は変わります。仕事内容がぼんやりしていると、候補者は自分に合うか判断できず、応募や返信が増えにくいです。
そこで、担当するミッション、最初の3か月で期待すること、チーム体制などを具体的に書くと伝わりやすくなります。また、スカウトはテンプレをそのまま送るより、相手の経験に触れて理由を一言添えることをおすすめします。
面接プロセスを短くして辞退を減らす
選考期間が長くなるほど、途中で辞退される可能性は高くなり、その分だけ採用単価も上がりやすくなります。多くの候補者は同時に複数の会社を受けているため、面接回数が多かったり、次の連絡まで時間が空いたりすると、優先度を下げられてしまいがちです。
そのため、必要な見極めは残しながら、面接の回数や流れを見直してみましょう。たとえば、似た内容を確認している面接があれば一つにまとめたり、課題提出の負担が大きい場合は内容を簡単にしたりする方法があります。
また、面接日程を早めに提示し、合否の連絡をできるだけ早く行うだけでも、候補者の離脱は起きにくくなります。スピードを意識することで、辞退を防ぎやすくなるでしょう。
成果が出ている採用手法に集中する
多くの採用手法を同時に使っていると、管理の手間が増え、どれが成果につながっているのか分かりにくくなります。その結果、効果の薄い施策にまで費用や時間を使ってしまうことがあります。
そこで、現在使っている採用手法を一度書き出し、それぞれから何件の面接が生まれているかを確認しましょう。応募数だけを見るのではなく、実際に面接まで進んだ数や、内定につながった数を比べると違いが見えやすくなります。
成果が出ている手法が分かったら、そこに予算と時間を集中的に使うことが大切です。反対に、一定期間取り組んでも成果が見えない手法は、いったん止める判断も必要です。
リファラルが自然に回る仕組みを作る
リファラル採用は紹介手数料がかからず、会社との相性が合いやすい人に出会える方法です。ただし、制度を用意しただけでは自然に広がりません。
まずは、どんな経験やスキルを持った人を探しているのかを、社内で分かりやすく伝えましょう。あわせて、募集内容を社内向けに簡単な言葉でまとめておくと理解されやすくなります。
紹介しやすい環境を作ることも大切です。候補者にそのまま送れる短い会社紹介や、募集内容の要点を用意しておくと、声をかけるハードルが下がります。また、紹介してくれた人にはお礼を伝え、選考がどう進んでいるかを共有しましょう。
オファー面談を強化して内定承諾率を上げる
内定を承諾してもらえる割合が上がると、同じ応募数でも採用できる人数が増え、その分だけ採用コストを抑えやすくなります。そのため、オファー面談はとても重要です。
条件の説明だけで終わらせず、入社後にどんな仕事を任せたいのか、どんな成長を期待しているのかを具体的に伝えましょう。
候補者が不安に感じやすいのは、働き方や評価の仕組み、チームの雰囲気、事業の将来性などです。これらは早めに説明しておくと安心につながります。可能であれば現場メンバーとの面談を設け、実際に働くイメージを持ってもらうのも効果的です。
まとめ
採用予算は、求人広告費や紹介手数料だけで決めると、途中で想定外の出費が増えやすくなります。まずは採用目的と優先ポジションを整理し、採用人数と期限、毎月の上限を決めたうえで、1人あたりの費用と必要応募数を逆算しましょう。
あわせて相場観や契約条件、社内工数も踏まえて運用ルールを作ると、予算不足を防ぎやすくなります。ぜひ、本記事の内容を参考にして、自社にとってベストな採用予算を設定して、採用を成功に導いてください。
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