2026.08.03

VPoE採用を成功させるには?役割やCTOとの違い、採用要件・探し方を解説

VPoE採用を成功させるには?役割やCTOとの違い、採用要件・探し方を解説

VPoE(Vice President of Engineering)は、エンジニアの組織づくりを担う責任者です。

会社が大きくなるほど採用の重要度は増しますが、経験者が市場には少なく、CTOとの役割も混同されやすいため、採用は難しくなりがちです。

本記事では、VPoEの役割やCTO・EMとの違い、採用を検討すべきタイミング、要件の決め方などを整理します。

そのうえで、経験者に限定しない候補者の探し方、候補者への魅力の伝え方、選考・見極め、よくある失敗と対策までを実務目線で解説します。ぜひ参考にしてください。


中途スカウト媒体比較表

スカウト媒体ごとの特徴や費用を比較したいとお考えではありませんか?
主要媒体を一覧で比較できる資料を無料で公開中です!


VPoEとは?役割と主な仕事内容

VPoEは、採用・評価・育成・チーム編成などを通じて、エンジニア組織が継続的に成果を出せる状態をつくる責任者です。技術面の最終判断を担うCTOに対し、VPoEは人と組織のマネジメントを担います。

具体的には、採用計画の策定、評価・給与制度の整備、育成体制の構築、チーム編成や開発プロセスの改善などが主な仕事です。

VPoEとCTO・EM・テックリードの違い

VPoEと似た役職には、CTOやEM、テックリードがあります。それぞれが担う責任の範囲や役割の違いを理解し、自社に必要なポジションを見極めましょう。

VPoEとCTOの違い

VPoEとCTOは、責任を持つ範囲に違いがあります。

CTOは、どんな技術を選ぶか、どう開発を進めるかといった技術面の最終判断に責任を持つ「技術の責任者」です。一方のVPoEは、採用・評価・育成・チーム編成といった組織づくりに責任を持つ「組織の責任者」です。

会社が小さいうちはCTOが両方を兼ねることが多いですが、人数が増えると一人では抱えきれなくなります。そこでCTOには技術戦略や技術判断に集中してもらい、組織の運営はVPoEが引き受けることで、それぞれが専門性を十分に発揮できるようになります。

関連記事:CTO採用とは?採用方法や採用を成功させるポイントを徹底解説

VPoEとEM(エンジニアリングマネージャー)の違い

VPoEとEM(エンジニアリングマネージャー)は、見ている範囲の広さに違いがあります。

EMは、あるチームや担当するサービスの単位で、メンバーの育成や評価、目標の管理、開発の推進を担う現場の管理職です。これに対してVPoEは、複数のチームや組織全体を見渡し、採用の方針や評価の仕組み、組織の形といったものを設計する立場にあります。

EMが担当チームのマネジメントを担うのに対し、VPoEはEMが力を発揮できるよう、組織全体の仕組みや環境を整える立場です。実際に、EMとして複数のチームやマネージャーを束ねた経験を積み、VPoEへキャリアを広げる人もいます。

両者は対立する役割ではなく、マネジメントする範囲や責任の大きさが異なる関係と捉えるとわかりやすいでしょう。

VPoEとテックリードの違い

VPoEとテックリードは、力を入れる領域に違いがあります。

テックリードは、設計や開発の技術的な判断を引っぱり、プログラムや設計の品質に責任を持つ役割です。一方のVPoEは、個々の技術判断ではなく組織づくりに責任を持ち、人と組織のマネジメントを主な仕事とします。

VPoEに求めるのは高い開発力そのものではなく、組織を伸ばす設計の力です。この点を採用の前提として押さえておく必要があります。

Recbooは、スタートアップのハイレイヤー人材採用に強みを持つプロ・リクルーター集団です。採用戦略立案、スカウト運用、エージェント連携などの各種採用支援を提供しています。ぜひサービス資料をご覧ください。

▶︎サービス資料をダウンロードする

VPoEの採用を検討すべきタイミング

VPoEが必要になるタイミングは、企業の規模だけで決まるものではありません。エンジニア組織やCTOが抱えている課題から、採用を検討すべき状況を解説します。

エンジニア組織の拡大にマネジメントが追いついていない

VPoEの採用を考える上で一番分かりやすいサインは、人数の増加にマネジメントが追いつかなくなった状態です。

情報共有が滞り、チーム同士の連携がうまくいかないといった状態の場合は、組織の運営を専門に担う人が必要な段階に入っています。特にエンジニアが数十名になると、CTOやEMが片手間で見られる範囲を超えてきます。

そして、メンバーの意欲が下がったり退職が増え、採用で人を増やしても組織が消耗するという悪い流れに陥りかねません。マネジメントに無理が出てきたときこそ、VPoE採用を具体的に動かすべきタイミングです。

エンジニア採用や評価制度の整備が属人化している

採用や評価が、特定の一人の経験や勘に頼っている状態も、VPoEが必要なサインです。

誰がスカウトを書くか、どんな基準で合否を決めるか、どう評価するかが言葉になっていないと、その人が抜けたとたんに運用が止まってしまいます。

VPoEは、担当者の経験や感覚に頼っていた判断基準を言語化し、採用や評価の仕組みに落とし込みます。たとえば、スカウトを送る候補者の条件や選考時の評価項目を明確にすることで、担当者が変わっても一定の水準で運用できる体制を整えます。

採用や評価が「あの人がいないと回らない」状態になっているなら、仕組みづくりを任せられるVPoEの必要性が高まっているサインと受け止めましょう。

関連記事:エンジニアの採用が難しい理由と成功させるコツを解説!おすすめの手法も紹介

CTOを技術戦略に集中させたい

CTOが採用や評価、メンバーとの面談、会議の日程調整などに多くの時間を取られている場合も、VPoEの採用を検討するタイミングです。

創業直後や組織が小さい段階では、CTOが技術と組織の両方を担うことも珍しくありません。しかし、事業やエンジニア組織が拡大すると、採用やマネジメントに必要な業務が増え、技術戦略や重要な技術判断に十分な時間を割けなくなる可能性があります。

採用や評価、組織運営をVPoEに任せることで、CTOは技術戦略や開発方針の策定に集中しやすくなります。CTOとVPoEがそれぞれの専門領域に注力できる体制をつくることは、事業と組織の成長を両立させるうえでも重要です。

VPoE採用を始める前に、市場に「VPoE経験者」は何人いるかを把握する

VPoE経験者は限られているため、理想の人物像を決めるだけでは採用につながりません。候補者の実在数を把握し、現実的な採用計画を立てる方法を解説します。

VPoE経験者は市場にほとんど存在しない

VPoE採用でまず知っておきたいのは、「VPoE経験者」と呼べる人が市場に少ないという事実です。

VPoEという役職自体が比較的新しく、はっきりと担ってきた人の数は限られています。実際、採用サービスの候補者データベースで「VPoE経験者」に絞って探すと、数十名ほどしかいないことも珍しくありません。

そのため、探し方を工夫する前に「この条件でそもそも採用できるのか」を数で確かめることが重要です。実際の人数を知ることが、VPoE採用の最初の一歩になるでしょう。

「VPoE経験者」だけを探すと母集団が立ち上がらない

VPoE経験者だけを対象にし続ける限り、応募につながる候補者の数は増えません。

数十名しかいない候補者に各社が集中すれば、獲得競争が激化し、採用は長引きます。ここでやりがちなのが、条件をゆるめて妥協するという考え方です。

重要なことは、基準を下げることではなく、同じような仕事を担ってきた近い職種まで対象を広げることです。役職名で絞るのではなく、「どんな組織の課題を解決してきたか」で候補者を見ることが、出会える人を増やすことに繋がります。

隣接領域マップ|EM・テックリード・開発部長など近い経験から候補を広げる

対象を広げるには、VPoEに任せたい仕事を分けて書き出し、それを担える近い職種を並べてみる方法です。例えば、複数のチームを見てきたEM、組織づくりまで踏み込んだテックリード、事業会社で開発部門をまとめてきた開発部長や開発マネージャーなどが候補になります。

大切なのは、条件をゆるめるのではなく、必要な経験を活かせる近い職種まで対象を広げるという考え方です。「自社と近い規模や時期に、何人くらいを、どんな課題と向き合ってきたのか」を目安に探せば、肩書きはちがっても十分に活躍できる人に出会えます。

まず任せたい仕事を決め、次に近い職種、そして在籍していそうな会社名まで具体化すると良いでしょう。

実在数から採用計画(会える人数・期間)を逆算する

対象の範囲が決まったら、実際の人数をもとに採用の計画を組み立てます。

まず、候補者データベースやSNS、勉強会での発表や技術記事などいくつかの情報源から、条件に合う人が何名いるかを調べましょう。その人数に、返信が来る割合の見込みをかければ、月に何名くらいと会えるかを見積もれます。

さらに、これまでの通過率から内定一名に必要な面談の数を置けば、入社してほしい時期から逆に計算して、いつ動き始めるべきかが見えてきます。「良い人がいれば」と待つのではなく、数をもとに計画を立てることが重要です。


サービス資料(無料)

スタートアップのハイレイヤー採用なら「Recboo」

採用戦略の立案からスカウト運用、エージェント連携、面接代行まで一気通貫で支援。
サービス詳細と料金体系をご案内しております。


VPoEの採用要件を決める5つのステップ

自社に合うVPoEを採用するには、肩書きや経歴ではなく、解決したい課題から要件を組み立てることが重要です。ここでは、採用要件を具体化する手順を5つに分けて解説します。

①解決したいエンジニア組織の課題を整理する

要件を決める出発点は、解決したい組織の課題を洗い出すことです。採用が止まっているのか、評価のしくみが整っていないのか、チーム同士の連携に問題があるのか、などが挙げられます。

まずは、経営陣と現場のそれぞれが感じている課題を書き出し、大事な順に並べて整理しましょう。ここで大切なのは、「VPoEが欲しい」から始めるのではなく、「この課題を解くために組織の責任者が必要」という順番で考えることです。

課題が具体的な言葉になれば、必要な力も、任せるべき範囲も自然に見えてきます。要件はこの整理の上に組み立てましょう。

②CTO・VPoE・EMの責任範囲を決める

課題を整理したら、CTO・VPoE・EMがそれぞれ何に責任を持つのかをはっきり分けます。

VPoEは役割が曖昧になりやすいので、誰がどこまでを担うのかを先に決めておくことが欠かせません。特にCTOとの境目が曖昧なまま採用すると、入社後に権限や判断でぶつかり、ミスマッチが生じてしまいます。

技術の方針はCTO、組織の運営はVPoE、各チームの推進はEM、というように責任のありかを具体的に決めておきましょう。この線引きは、経営陣とCTOの理解を揃える作業でもあります。

③採用後のミッションとKPIを設定する

担当範囲を決めたら、入社後に期待する成果を、具体的なミッションと目標に落とし込みます。

例えば、「半年でエンジニア採用の進め方を整え、月ごとの内定承諾の数を一定の水準まで増やす」「評価のしくみを作りなおし、全メンバーとの面談を定着させる」といった形で、成果を具体的にしましょう。

目指す姿がはっきりすれば、選考で確かめるべき点も定まり、候補者にも任せたい役割を具体的に伝えられます。数値にしにくい課題でも、達成した状態をできるだけ言葉にしておくことが重要です。

④必須条件と歓迎条件を分ける

要件は、必須・歓迎・不要の三つに分けて整理します。「これがないと成果を出せない」条件だけを必須に残し、入社後に身につけられるものは歓迎に、対象を狭くするだけのものは思いきって外しましょう。

ここで役立つのが、必須の条件だけで候補者データベースを検索し、当てはまる人数を実際に数えることです。もし当てはまる人が百名を下回るようなら、市場に十分いない条件だと判断し、必須のどれかを歓迎に移してもう一度検索します。

応募につながる人数が確保できる水準まで、優先順位で調整するのが基本です。

⑤入社後90日までの期待値を決める

最後に、入社してから90日までにどこまで期待するかを具体的に決めます。VPoEのような組織の責任者は成果が出るまで時間がかかりますが、最初の目標を決めておくことが、お互いの安心につながります。

最初の30日は現状の把握と関係づくり、60日で課題の優先順位づけと打ち手の提案、90日で最初のしくみを動かし始める、といった段階を描いておくとよいでしょう。

この期待値を選考の段階で候補者と共有すれば、入社後の動き方の受け止め方が揃い、立ち上がりがスムーズになります。

VPoE採用で求められるスキル・経験

VPoEには、組織づくりの経験に加え、採用・評価制度に関する知識や経営と現場をつなぐ力が求められます。選考で確認したい主なスキルと経験を見ていきましょう。

組織設計・組織開発のスキル

VPoEに特に求められるのは、事業や組織の成長に合わせて、エンジニア組織を設計・改善する力です。

具体的には、チームをどのように編成するか、意思決定や情報共有をどのような流れにするか、組織内の課題をどう把握して改善につなげるかといった能力が求められます。

エンジニアの人数が増えると、チーム間の連携が弱まったり、情報が一部のメンバーに偏ったりするなど、組織の課題も複雑になります。VPoEには、こうした問題が深刻になる前に組織の状態を捉え、必要に応じてチーム構成や運用方法を見直すことが必要です。

単にメンバーを管理するのではなく、エンジニア組織全体が継続的に成果を出せる仕組みをつくれるかどうかが、VPoEを見極める重要なポイントです。

エンジニア採用と評価・育成制度に関する知識・経験

VPoEには、エンジニアの採用と、評価・育成のしくみづくりについての実践的な知識と経験が求められます。

採用では、要件を決めることからスカウト、選考の設計、辞退を減らす工夫までを一通り回せることが望まれます。評価では、等級や給与の設計、公平で納得感のある基準づくりが問われます。育成では、面談やキャリア相談のしくみを定着させる力が必要です。

過去にこうした仕組みをゼロから作って運用した経験があるかは、選考で必ず確かめたい点です。そして、仕組みを作って終わりにせず、動かし続けた実績があるかも問われます。

経営と技術をつなぐコミュニケーション能力

VPoEは、経営陣とエンジニアの組織の間に立ち、両者をつなぐ力が求められます。

経営陣が掲げる事業目標を、エンジニアが実行できる開発方針や組織の目標に落とし込む一方で、現場の状況や技術的な制約を経営陣にわかりやすく伝えることもVPoEの役割です。

双方の認識をすり合わせられなければ、経営が期待する成果と、開発現場が進める取り組みにずれが生じる可能性があります。

特に、技術に詳しくない経営メンバーに技術判断の意味を伝えたり、エンジニアに事業の背景をしっかり理解してもらったりする場面は多くあります。立場や専門の違う相手に合わせて言葉を選び、話をまとめていく力が重要となるでしょう。

自社と近い組織フェーズでのマネジメント経験

VPoEの活躍を大きく左右するのが、自社と近い規模や時期での組織づくりの経験です。

数名の立ち上げの時期と、数百名の拡大の時期では、組織が抱える課題も、うまくいく打ち手も異なります。大きな会社で整った組織を回してきた人が、ゼロから仕組みをつくるスタートアップで力を出せるとは限りませんし、その逆もあります。

そのため、「どの時期に、何人くらいを、どんな課題とともに見てきたか」を目安に見極めることが大切です。自社の状況と似た環境で組織を伸ばした経験があるかを、丁寧に確かめましょう。


AIスカウトサービス比較17選

スカウト送信に時間がかかりすぎていませんか?
AIを活用してスカウト業務を効率化するサービスの詳細資料を公開中です!


VPoE候補の探し方

VPoE経験者だけを対象にすると、候補者を十分に集められない可能性があります。リファラル採用やダイレクトリクルーティングなど、複数の手法を組み合わせて候補者を探しましょう。

経営者・社員からのリファラル採用

VPoEのように候補者が限られるポジションでは、経営者や社員のつながりを活用したリファラル採用(社員などの紹介による採用)が有力な手段になります。

信頼できる人からの紹介なら、実績や人柄をある程度前もって知ることができ、相性も見極めやすいという利点があります。特にVPoEクラスは転職を考えている状態で表に出てこないことが多いため、人づての縁が貴重な出会いになります。

ただし、紹介は繋がりの広さに上限があるため、他の方法と組み合わせて候補者を探すことが重要です。

関連記事:効果の出るリファラル採用とは | 始め方と周囲を巻き込む方法について徹底解説

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティング(会社から候補者に直接声をかける採用)は、VPoE採用の中心になる手段です。

ただし、候補者データベースに登録している人だけを追っていては、今の会社で重要な役割を担うVPoEクラスには届きにくいのが実情です。そのため、データベースの外にも目を向けるようにしましょう。

具体的には、技術記事や発表資料、SNSでの発信、勉強会での活動などを手がかりに、転職を考えていない人を見つけ、個別に声をかける方法があります。手間はかかりますが、多くの会社が取り組めていない分、成果に繋がりやすいでしょう。

関連記事:【ダイレクトリクルーティング入門】始め方やメリット・注意点について徹底解説

人材紹介・ヘッドハンティング

人材紹介やヘッドハンティングは、VPoEのように募集を広く公開しにくい、経営に近いポジションの採用に適した方法です。

ただし、人材紹介会社に求人情報を渡して待つだけでは、条件に合う候補者の紹介が増えないこともあります。担当者が、自社の組織課題や求める人物像、ポジションの魅力を十分に理解できていない場合があるためです。

紹介の質と数を高めるには、紹介会社との定期的な打ち合わせを設け、選考状況や候補者への評価、採用条件の変更などを共有しましょう。

また、VPoEやエンジニア採用に詳しい担当者に窓口を絞ることも有効です。採用の優先度が高い場合は、紹介手数料を含めた契約条件の見直しも選択肢になります。

関連記事:【ノウハウ公開!】人材紹介会社の選び方を解説!注意点やよくある失敗例・対処法も紹介

VPoE候補者に届く求人票・スカウトの作り方

経験豊富なVPoE候補に興味を持ってもらうには、一般的な会社紹介や条件を並べるだけでは不十分です。自社の組織課題や任せる裁量が伝わる求人票・スカウトの作り方を解説します。

求人票に記載すべき内容

VPoEの求人票には、任せたい組織の課題と任せる判断の幅を、できるだけ具体的に書くことが重要です。

候補者が一番知りたいのは、どんな課題に、どれだけ自分の判断で取り組めるのか、という点です。そのため、今の組織の規模や抱える課題、入社後に期待する仕事、CTOやEMとの担当の分け方、任せる判断の範囲まで言葉にしましょう。

あわせて、事業の状況や技術の方向を示すと、候補者は自分の経験が活きるかを判断しやすくなります。給与の幅だけでなく、こうしたお金以外の魅力も丁寧に記載することが重要です。

VPoE求人で避けたい表現

VPoEの求人でよくある失敗が、受け取り方が分かれる言葉で表現することです。

「優秀な人」「難しい組織の課題」「マネジメント力のある方」といった言葉は、人によって受け止め方が違い、何を求めているのかが伝わりません。その結果、狙いとずれた応募が集まったり、本当に出会いたい人に届かない可能性があります。

避けたいのは、こうした曖昧な言葉と、当たり障りのない文面です。求める人物像は、具体的な行動や成果、経験の言葉に置き換えましょう。「何人規模の組織で、どのような仕組みをゼロから構築した経験があるか」のように書けば、候補者は自分が対象かを判断できます。

スカウトでは組織課題と裁量を具体的に伝える

スカウトの成否は、「誰から届いたか」と「自分あてだと感じられるか」で決まります。

まず送る人の名前は、採用担当ではなく、CEOやCTOなど決める立場の人にしましょう。誰から届いたかは開くかどうかの判断を大きく左右し、決める立場の人の名前に変えるだけで開封率が上がります。

次に、書き出しで候補者の経歴や実績に具体的に触れ、「あなたに送っています」ということを伝えましょう。

また、本文では長い会社説明を削り、任せたい組織の課題と判断の幅を短く具体的に示すことも重要です。締めは応募のお願いではなく、気軽に話す機会のお誘いにとどめ、負担の少ない一歩を示しましょう。

Recbooは、スタートアップのハイレイヤー人材採用に強みを持つプロ・リクルーター集団です。採用戦略立案、スカウト運用、エージェント連携などの各種採用支援を提供しています。ぜひサービス資料をご覧ください。

▶︎サービス資料をダウンロードする

VPoE候補を惹きつける|条件だけでなくキャリア上の魅力を伝える

VPoE候補の多くは、現職ですでに一定の待遇や裁量を得ています。転職を前向きに検討してもらうには、条件面だけでなく、その会社で働くことがキャリアに与える価値まで伝えることが重要です。

VPoE候補は条件だけでは動かない

VPoE候補の多くは、今の会社で中心的な役割を担い、それなりの判断の幅と給与をすでに得ています。そのため、年収や役職といった条件を並べるだけでは、転職を決めるには至りません。

彼らが手放すのをためらうのは、積み上げてきた立場や慣れた環境、これまでの人間関係です。こうした不安は、条件を上乗せするだけではなかなか解けません。

動かすカギになるのは、条件ではなく「意味」です。この役職に移ることが、自分のこれからにとってどんな挑戦や成長につながるのか。

新しい環境で得られる経験や将来のキャリアが具体的にイメージできて初めて、候補者は現在の立場や環境を手放し、転職を前向きに検討できるようになります。

カジュアル面談を「会社説明」から「組織課題の対話」に変える

VPoE候補の気持ちは、多くの場合、面接ではなく気軽な面談で動きます。そのため、この場を一方的な会社説明で終わらせるのはもったいないといえます。

前もって候補者の経歴や実績を読みこみ、話す論点を用意したうえで、自社が抱える組織の課題を率直に共有し、「これをどう解くか」を一緒に考える場にしましょう。

候補者は、自分の経験が活きる余地を実感し、任される判断の大きさを具体的に感じられます。会社の一般的な説明ではなく、実際の課題に関する対話ができれば、優秀な候補者に関心を寄せてもらえるでしょう。

関連記事:カジュアル面談の進め方とは?優秀な人材採用に向けた進行マニュアル!

「この組織で何を成せるか」を候補者のキャリア文脈で意味づける

同じ役職でも、意味の伝え方しだいで候補者への響き方は変わります。

「組織の立ち上げを担う最初の一人」「経営陣と直接議論しながら組織をつくれる」といった特徴が、その候補者の今後のキャリアにとってどのような意味を持つのかを、相手の状況に合わせて言葉にしましょう。

複数の切り口を用意しておきましょう。面談での反応や関心を確認しながら、より関心の高いテーマを中心に伝えることで、候補者に合った訴求がしやすくなります。

また、スカウト、カジュアル面談、選考、内定後の面談で伝える内容に一貫性を持たせることも重要です。「この会社でどのような組織をつくり、どのような経験を積めるのか」が自身のキャリアと結びついたとき、候補者の入社意欲は高まりやすくなります。

経営陣・CTOが候補者への働きかけに加わるタイミングを設計する

VPoEのような経営に近い役職では、経営陣やCTO自身が候補者への働きかけに加わることが、入社の決め手になる場合があります。ただし、すべての選考に経営陣が参加すればよいわけではなく、効果的なタイミングを見極めることが大切です。

例えば、選考の早い段階から代表が採用への本気度を示したほうがよい場合もあれば、まずはCTOが組織の課題を伝え、内定の前後で代表が入社後に期待する役割やキャリア上の意義を説明するほうが効果的な場合もあります。

特に、候補者が他社の選考と比較して迷っている段階では、経営陣やCTOが個別に対話する機会を設けるとよいでしょう。

VPoE採用の選考フローと面接で確認すること

VPoE採用では、過去の役職や実績だけでなく、自社でも成果を再現できるか、経営陣と協力して組織を動かせるかを見極める必要があります。選考段階ごとの役割と確認すべきポイントを解説します。

書類選考では組織の変化と本人の貢献を確認する

VPoE候補の書類選考では、役職の肩書きよりも、「組織にどんな変化を起こし、そこに本人がどう関わったか」を読み取ることが大切です。

在籍した組織が何人規模から何人規模に増えたか、その間にどのような仕組みを作ったか、結果として何が良くなったかといった、変化と本人の関わりが具体的に書かれているかを確かめましょう。

反対に、役職名や在籍した会社の知名度ばかりが目立ち、実際に何を成したかが曖昧な書類には注意が必要です。VPoEの採用では、組織を成長させた実績が重要です。そのため、組織の変化に本人がどれだけ深く関わったかを見極めましょう。

カジュアル面談では採用背景や期待する役割を伝える

カジュアル面談は、見極めの場であると同時に、候補者に自社の魅力と期待を伝える場です。

なぜ今VPoEを採用したいのか、どんな組織の課題を解決してほしいのか、その背景と期待する役割を率直に共有しましょう。候補者は、自分に何が求められているかが分かることで、自分の経験が活きるかを判断できます。

ここで一方的に会社の説明を並べるのではなく、候補者の関心や過去の取り組みを聞きながら、双方向で話すことが大切です。

関連記事:【完全マニュアル】採用面接・カジュアル面談の違いとは?質問例・NG行動も紹介

一次・最終面接では組織マネジメントの再現性と経営陣との相性を見極める

一次・最終面接では、組織マネジメントを自社でも再び発揮できるかと、経営陣との相性という二つの点を見極めます。

「再び発揮できるか」とは、過去の成功が偶然ではなく、自社でも通じる力かどうかです。これを印象で測らないために、何を見るかを前もって言葉にしておきましょう。

相性については、経営陣やCTO自身が話し、価値観や判断軸が合うかを確認します。VPoEは経営陣と近い距離で組織を動かすため、価値観や判断軸のずれは組織運営にも影響します。そのため、経営陣やCTOとの相性は重要な確認項目です。

関連記事:「面接官の4つの役割」で変わる採用体験 ── 入社意欲を引き出す選考設計とは?

リファレンスチェックで実績やマネジメントスタイルを確認する

VPoEのように相性や再現性が問われる役職では、リファレンスチェック(過去に一緒に働いた人への確認)が役立ちます。

面接だけでは本人の話に頼らざるをえず、実際のマネジメントのやり方や組織への影響までは見えにくいです。過去に一緒に働いた経営者やメンバーに話を聞くことで、書類や面接で得た印象を裏づけたり、必要に応じて認識を修正したりできます。

確かめたいのは、どんな組織の課題にどう向き合ったか、部下やメンバーからどう見られていたか、難しい場面でどう動いたか、といった具体的な事実です。良い評判だけでなく、課題や弱みも率直に聞ければ、入社後の支援にも活かせます。

選考全体を通じて候補者との相互理解を深める

VPoE採用では、選考全体を「見極める場」であると同時に「お互いの理解を深める場」として組み立てることが大切です。

優秀な候補者ほど複数の会社の選考を同時に受けており、会社の対応の速さや丁寧さを、自分への関心の高さとして受け取ります。連絡や日程調整が遅れれば、それだけで関心が他社に移ってしまいます。

そのため、各段階の間を空けず、お互いの理解を進めることが辞退の防止につながります。併せて、選考の合間に現場のメンバーと気軽に話す機会を挟めば、候補者の不安をやわらげられます。

VPoE採用におけるよくある失敗と対策

VPoEを採用できても、役割分担や受け入れ体制が曖昧では、十分に力を発揮してもらえません。採用前後に起こりやすい失敗と、その対策を確認しておきましょう。

CTOとの役割分担を決めずに採用する

いちばん多い失敗が、CTOとVPoEの役割分担を決めないまま採用に踏み切ることです。

双方は担当範囲が隣り合うため、分け方が曖昧であると、入社後に権限や判断を巡ってぶつかり、お互いが動きにくくなります。「技術の方針はCTO、組織の運営はVPoE」という大まかな分け方だけでなく、採用の最終決定は誰か、評価のしくみづくりは誰が中心か、といった具体的な場面まで責任のありかを決めておきましょう。

したがって、採用を始める前に経営陣とCTOの理解をそろえることが重要です。求める人物像や担当範囲についてずれがないかを確認しておきましょう。

一人で組織課題をすべて解決してもらおうとする

VPoEを採用すれば組織のあらゆる課題が一気に解決すると期待してしまうのも、よくある落とし穴です。

どれだけ優れたVPoEでも、一人ですべてを背負えるわけではありません。そのため、解決してほしい課題に優先順位をつけ、入社後の期待を段階的に決めることが重要です。

具体的には、90日、半年、1年といった区切りで「いつまでに、何に取り組んでもらうか」の認識を合わせ、経営陣も一緒に課題へ向き合いましょう。

採用後のオンボーディングや支援体制を用意していない

採用が終わりではありません。入社後の受け入れや支援の体制を用意しないまま迎え入れ、活躍する前につまずかせてしまう失敗も少なくありません。

VPoEは組織全体に関わる役割なので、社内の事情や人間関係、これまでの経緯を理解しないと動き出せません。情報がないまま「組織を良くしてほしい」と任せてしまえば、成果が出るまで時間がかかり、本人も孤立します。

そのため、入社後に期待する役割を事前に共有したうえで、必要な情報や権限を提供し、経営陣と定期的に話せる場を整えましょう。

まとめ

VPoEは、採用・評価・育成やチーム編成などを通じて、エンジニア組織の成長を支える責任者です。

採用を成功させるには、まず自社の組織課題を整理し、CTOやEMとの役割分担、入社後に期待する成果を明確にする必要があります。VPoE経験者は市場に少ないため、EMやテックリード、開発部長など、近い経験を持つ人材まで候補を広げることも大切です。

また、年収や役職だけでなく、任せる裁量や解決してほしい組織課題、その経験が候補者のキャリアにどのような価値をもたらすかを具体的に伝えましょう。選考では、肩書きにとらわれず、組織を変えた実績の再現性や経営陣・CTOとの相性を見極めることが重要です。

Recbooとは

「Recboo」は、株式会社ノックラーンが提供する中途採用支援サービスです。東証プライム上場のエアトリグループ子会社としての信頼性も魅力の企業です。

主に、スタートアップのシードから上場企業まで採用支援に多数の実績をもち、採用コンサルティングからCXO採用などのハイレイヤー採用の支援まで柔軟に対応できるのが特徴です。

直近ではディープテック系のスタートアップ企業などの実績もあり、幅広いターゲットに合わせたダイレクトリクルーティングノウハウを保持しているのが強みになります。

Recbooの特徴

・圧倒的なダイレクトリクルーティング運用ノウハウを用いた採用支援
・採用戦略設計から実行まで一気通貫で支援できる体制
・CXOクラスのハイレイヤー採用特化の支援も可能
・既存DBに加え、国内外の研究室アプローチなどバイネームアプローチも対応可能

Recbooの料金

要お問い合わせ

資料ダウンロード

採用課題のヒアリングと現状分析から始める採用改善ロードマップ資料を無料でダウンロード

採用代行の無料相談はこちら

こちらの記事の監修者

株式会社ノックラーン代表取締役

福本 英Fukumoto Akira

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。

記事一覧を見る

最短最速で、最大の結果を。 採用を事業の武器に変える

“スタートアップ型採用”