エンジニア採用が難しい理由とは?成功させるコツと効果的な採用手法を解説
エンジニア採用に取り組んでいるものの、「求人を出しても応募が集まらない」「スカウトを送っても返信がない」「内定を出しても他社に競り負けてしまう」と悩む企業は少なくありません。思うように採用が進まず、「エンジニア採用は無理ゲーだ」と感じている採用担当者もいるでしょう。
エンジニア採用が難しい背景には、IT人材の不足や採用競争の激化があります。しかし、採用要件の絞りすぎやスカウトの訴求不足、選考の遅さなど、自社の採用活動を見直すことで改善できるケースもあります。
本記事では、エンジニア採用が難しい理由や、採用がうまくいかない企業の原因を整理したうえで、効果的な採用手法と成功させるポイントを解説します。自社の採用課題を把握し、具体的な改善策を検討したい方は、ぜひ参考にしてください。

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エンジニア採用が難しくなっている4つの理由
エンジニア採用が難しくなっている背景には、人材不足だけでなく、採用企業の増加や候補者の価値観の変化もあります。ここでは、企業が押さえておきたい4つの理由を解説します。
IT人材の需要に対して経験者が不足している
DXやAI活用などを進める企業が増え、エンジニアを必要とする業界は広がっています。一方で、企業が求める技術や実務経験を持つ人材は限られており、需要に対して供給が追いついていません。
特に、専門性の高い職種やプロジェクトを主導できる経験者は、多くの企業が採用を希望しています。採用要件を細かく設定するほど該当者が少なくなるため、市場にいる人材を把握したうえで要件を決めることが重要です。
IT企業以外も採用を強化し、競合が増えている
エンジニアを積極的に採用しているのは、IT企業やWebサービス企業だけではありません。現在はメーカー・金融・医療・小売・不動産など、幅広い業界がDXやデータ活用、社内システムの改善を進めており、技術人材の採用を強化しています。
そのため、採用市場では同業他社だけでなく、異なる業界の企業も競合になります。候補者は業界の枠を超えて複数の企業を比較できるため、知名度や給与だけで採用競争に勝つことは難しくなっています。
採用活動を始める際は、同業界の求人だけを見るのではなく、同じ職種や技術を募集している他業界の企業も確認しましょう。競合が提示している業務内容や働き方、開発環境を把握することで、自社ならではの魅力を整理しやすくなります。
求人を掲載して待つだけでは候補者と接点を持ちにくい
経験豊富なエンジニアは、転職サイトへ登録して求人を探さなくても、企業や人材紹介会社から声をかけられやすい状況にあります。現職で一定の評価を得ており、今すぐ転職する必要がない人も多いため、求人媒体に募集を掲載するだけでは接点を持てない可能性があります。
また、候補者が求人を見つけても、仕事内容や使用技術、開発体制が抽象的では、応募先の候補から外されかねません。「自社サービスの開発」のような曖昧な説明だけでなく、任せる業務や開発チームの構成、技術選定の方針まで具体的に伝える必要があります。
求人媒体に加えて、ダイレクトリクルーティングや採用広報、リファラル採用なども活用し、企業側から候補者との接点を増やすことが大切です。
年収以外の働き方や開発環境も比較されている
エンジニアが転職先を選ぶ際は、年収だけでなく、リモートワークやフレックスタイムの有無、使用技術、開発環境、業務の裁量なども比較します。給与水準が同程度であっても、仕事内容や働き方を具体的に伝えられなければ、自社を選んでもらうのは難しいでしょう。
採用活動では、求人条件を提示するだけでなく、自社で働くことで得られる経験やキャリアも明確にする必要があります。たとえば、新しい技術に挑戦できる、ユーザーの反応を見ながら開発できる、技術選定に関われるといった点も魅力になります。
自社の制度を並べるだけではなく、候補者が入社後にどのような働き方や成長を実現できるのかまで伝えることが重要です。
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エンジニア採用がうまくいかない4つの原因
エンジニア採用が難しい原因は、採用市場の状況だけにあるとは限りません。応募やスカウト返信が少ない場合は、採用要件・スカウト・選考・運用体制のどこに課題があるかを確認しましょう。
採用要件を絞りすぎている
エンジニアからの応募やスカウト返信が少ない場合は、採用手法を変更する前に、採用要件を見直しましょう。経験年数、使用言語、業界経験、マネジメント経験などをすべて必須にすると、条件に当てはまる候補者がほとんどいなくなる可能性があります。
まずは現在の条件で採用媒体のデータベースを検索し、対象となる候補者数を確認します。母集団が限られている場合は、入社直後の業務に必要な条件だけを必須とし、入社後に習得できるスキルは歓迎要件へ移しましょう。
単に条件を緩めるのではなく、「必須・歓迎・不要」に分けて優先順位をつけることが大切です。入社後に期待する成果から逆算すれば、本当に必要な要件を判断しやすくなります。
スカウトの既読率と返信率を分けて分析していない
スカウトへの反応が少ないときは、既読率と返信率を分けて確認する必要があります。既読率が低い場合は、本文を改善しても候補者に読まれないため、送信者名義や件名、送信する時間帯などに問題があると考えられます。
一方、既読されているのに返信が少ない場合は、本文の訴求内容を見直しましょう。会社説明を長く並べるだけでは、候補者にとって「なぜ自分に連絡が来たのか」「どのような役割を任されるのか」が分かりません。
数値を確認せず文面全体を変更すると、どの改善策が成果につながったのか判断しにくくなります。候補者がどの段階で離れているかを特定し、課題に合わせて一つずつ改善しましょう。
選考や候補者への連絡に時間がかかっている
優秀なエンジニアは、複数の企業からスカウトを受けたり、同時に選考を進めたりしていることがあります。スカウトへの返信後に面談の日程が決まらない、面接結果の連絡が遅いといった状態が続けば、先に選考が進んだ企業へ入社を決める可能性があります。
また、面接回数が多すぎる、同じ質問を複数の面接で繰り返すなど、選考フローの長さも辞退につながる要因です。候補者への連絡が遅いと、自社への志望度だけでなく、「候補者への関心が低いのではないか」と受け取られるおそれもあります。
選考の質を維持しながら、不要な工程を減らし、面談設定や合否連絡を速やかに行える体制を整えましょう。
採用業務が属人化している
採用活動を特定の担当者や経営者の経験だけに頼っていると、担当者が多忙になったり不在になったりした際に、候補者対応が止まるおそれがあります。候補者の検索条件やスカウトの送信基準、面接の評価項目が共有されていなければ、担当者によって採用の判断も変わってしまいます。
属人化を防ぐには、採用要件の決め方や候補者への連絡方法、面接の進め方などを文書化することが大切です。さらに、スカウトの送信数・既読率・返信率や、各選考の通過率を定期的に確認できる状態を整えましょう。
候補者の検索や日程調整などの定型業務は分担し、経営者や現場エンジニアが見極めと魅力づけに集中できる体制を作ることが重要です。
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エンジニア採用に効果的な手法5選
エンジニア採用に効果的な手法を5つ紹介します。それぞれの特徴を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
①ダイレクトリクルーティング
ターゲットを絞ってスカウトを送るダイレクトリクルーティングは、エンジニア採用の主流になっています。Findy・LAPRAS・LinkedIn・YOUTRUSTなど職種・レイヤーに応じた媒体選定が重要です。
ただし、スカウトはただ送れば良いわけではありません。既読率・返信率を媒体ごとに計測し、送信者名義や文面の構造を定期的に見直すことが継続的な成果につながります。
関連記事:エンジニア採用におけるダイレクトリクルーティング成功ポイント5選
②リファラル採用
既存社員からの紹介で採用するリファラル採用は、採用コストが低く、入社後のミスマッチも少ない傾向があります。エンジニアはコミュニティのつながりが強く、リファラルが機能しやすい職種です。
関連記事:効果の出るリファラル採用とは | 始め方と周囲を巻き込む方法について徹底解説
③採用広報・オウンドメディア
技術ブログやオウンドメディア、SNSなどで情報を発信する採用広報は、今すぐ転職を考えていないエンジニアとの接点づくりに役立ちます。候補者はスカウトを受け取った後に企業名を検索することが多いため、発信されている情報が返信や応募の判断材料になります。
発信する内容は、会社の制度や求人情報だけに限りません。使用技術、開発体制、技術選定の考え方、社員インタビュー、プロジェクトの進め方などを紹介すると、入社後の働き方をイメージしてもらいやすくなります。
採用広報は、すぐに応募を獲得するためだけの施策ではありません。継続的に情報を届け、将来転職を検討した際に自社を思い出してもらうための中長期的な取り組みとして運用しましょう。
④人材紹介・採用代行を活用する
社内の採用リソースが不足している場合や、採用難易度の高いポジションを急いで採用したい場合は、人材紹介や採用代行の活用も選択肢になります。ただし、両者は依頼できる内容が異なるため、自社の課題に合わせて選ぶ必要があります。
人材紹介は、紹介会社が保有する候補者の中から、採用要件に合う人材を紹介してもらう仕組みです。一方、採用代行では、採用戦略の設計や候補者の検索、スカウト送信、日程調整などの業務を委託できます。
候補者を紹介してほしいのか、採用活動そのものの運用を支援してほしいのかを整理したうえで依頼しましょう。料金だけでなく、エンジニア採用の実績や対応可能な業務範囲を確認することも大切です。
⑤カジュアル面談で応募前の接点を作る
カジュアル面談は、正式な選考に進む前に、候補者と企業がお互いの情報を交換する場です。転職意欲がまだ高くないエンジニアでも参加しやすいため、求人への応募を待つだけでは出会えない人材との接点を作れます。
面談では会社説明だけに時間を使うのではなく、候補者が興味を持っている技術やキャリアについて確認しましょう。そのうえで、任せたい業務や開発チームの状況、自社で得られる経験を具体的に伝えます。
候補者が技術的な質問をしやすいように、CTOや現場エンジニアが参加する方法も有効です。ただし、実質的な選考にならないよう、面談の目的や当日の進め方を事前に共有しておきましょう。
エンジニア採用のターゲットを設計する方法
エンジニア採用では、理想の人材像を定めるだけでなく、市場にいる候補者数と照らし合わせて要件を調整することが重要です。ここでは、現実的な採用ターゲットを設計する手順を解説します。
入社後に期待する成果から採用要件を決める
採用要件は、現場から挙がった希望条件をそのまま並べるのではなく、入社後に任せる業務や期待する成果から逆算して決めましょう。経験年数や保有資格だけでは、実際の業務で成果を出せるか判断できない場合があります。
まずは、入社後3か月・6か月・1年の段階で、どのような業務を担当し、どの状態を目指してほしいかを整理します。その成果を実現するために、入社時点で必要なスキルと、入社後に習得できるスキルを分けてください。
現場エンジニアと人事が期待する役割を共有しておけば、求人票やスカウト、面接で伝える内容にも一貫性が生まれます。条件を増やすのではなく、採用後の活躍に直結する要件へ絞り込むことが大切です。
採用要件を「必須・歓迎・不要」に整理する
採用要件を決める際は、条件を「必須・歓迎・不要」の3つに分けて整理しましょう。必須要件には、入社直後の業務を進めるうえで欠かせないスキルだけを設定します。入社後に習得できる技術や、業務との関連性が低い経験は、歓迎要件または不要な条件へ移してください。
たとえば、特定のプログラミング言語を使う場合でも、類似言語での開発経験があれば対応できる可能性があります。また、業界知識を入社後に学べるのであれば、必須条件にする必要はないでしょう。
単に条件を緩和するのではなく、入社後の業務に必要かどうかを基準に分類することが重要です。現場エンジニアと人事ですり合わせ、優先順位を共有しておきましょう。
採用媒体で対象となる候補者数を確認する
採用要件を整理した後は、実際に利用する採用媒体や人材データベースで、条件に該当する候補者数を確認しましょう。社内で理想的な人物像を決めても、該当する人材が市場にほとんどいなければ、十分な母集団を形成できません。
候補者が少ない場合は、経験年数や業界経験、使用言語などの条件を一つずつ外し、母集団がどの程度変化するかを確認します。特定の言語経験者だけでなく、類似する技術や開発環境の経験者まで広げる方法もあります。
媒体によって登録者の職種や経験、転職意欲は異なります。複数の媒体で候補者数を比較し、市場の実態に合った採用ターゲットへ調整しましょう。
必要に応じてポテンシャル層まで対象を広げる
即戦力人材だけでは十分な母集団を作れない場合は、基礎的なスキルや学習意欲を持つポテンシャル層まで対象を広げる方法があります。実務経験年数だけで判断せず、類似技術の経験や個人開発、業務外での学習状況なども確認しましょう。
ただし、採用対象を広げるだけでは、入社後のミスマッチにつながる可能性があります。ポテンシャル層を採用する場合は、教育担当者や研修内容、習得してほしいスキルと期間を事前に決めておくことが大切です。
入社時点で必要な能力と、入社後に身につけてもらう能力を明確に分け、採用と育成を一体で設計しましょう。
エンジニアから返信を得るスカウトの改善方法
スカウトへの反応が少ない場合は、感覚的に文面を変えるのではなく、数値から課題を特定する必要があります。既読率と返信率を確認し、改善と検証を繰り返しましょう。
既読率と返信率から課題を特定する
スカウトを改善する際は、最初に既読率と返信率を分けて確認しましょう。既読率が低い場合は、候補者に本文を読まれていないため、送信者名義や件名、送信する時間帯などに課題があると考えられます。
一方、既読率は高いのに返信率が低い場合は、本文で候補者にとっての魅力を十分に伝えられていない可能性があります。任せたい役割や声をかけた理由、自社で得られる経験などを見直してください。
どの段階に課題があるかを確認せず、件名と本文を同時に変更すると、改善した要因を判断しにくくなります。まずは数値から課題を特定することが大切です。
送信者名義・件名・冒頭文を見直す
既読率が低い場合は、スカウトの送信者名義や件名、冒頭文を見直しましょう。採用担当者ではなく、CTOや現場責任者など、候補者と実際の業務で関わる人物の名義から送ることで、関心を持ってもらえる場合があります。
件名には募集職種だけでなく、候補者の経験や専門性に触れる内容を入れ、自分に向けた連絡であることを伝えます。本文の冒頭でも、プロフィールのどこに注目したのかを簡潔に示してください。
ただし、肩書きを変えるだけでは十分ではありません。送信者本人が候補者の経歴を確認し、返信後の面談にも関与するなど、名義と実際の採用活動を一致させることが重要です。
候補者に声をかけた理由を具体的に伝える
スカウト本文では、会社の説明を長く並べる前に、なぜその候補者へ声をかけたのかを伝えましょう。プロフィールに記載された経験や担当プロジェクトに触れ、自社のどの業務で活躍できると考えたのかを具体的に説明します。
続けて、任せたい役割や解決してほしい課題、自社で得られる経験を示してください。「経験を生かせます」「成長できる環境です」といった抽象的な表現だけでは、ほかの企業との違いが伝わりません。
連絡した理由、任せたい役割、働くことで得られる経験の順にまとめると、候補者が自分に合う求人かを判断しやすくなります。
改善する項目を絞って効果を検証する
スカウト文面を改善する際は、送信者名義・件名・冒頭文・訴求内容を一度にすべて変更しないようにしましょう。複数の要素を同時に変えると、どの変更が既読率や返信率の改善につながったのか判断できません。
まずは送信者名義だけを変更し、一定数を送信した後に既読率を比較します。その後、件名や冒頭文、任せたい役割の伝え方を順番に検証するなど、変更する項目を絞ることが大切です。
返信率だけでなく、カジュアル面談への移行率や選考参加率も確認しましょう。返信が増えても、採用したい候補者との面談につながらない場合は、ターゲットや訴求内容を再検討する必要があります。
候補者の反応を文面へ反映する
スカウトの数値だけでなく、候補者から寄せられた質問や辞退理由も記録しましょう。「業務内容が分かりにくい」「開発体制を詳しく知りたい」などの反応には、求人票やスカウト文面を改善するヒントがあります。
同じ質問を複数の候補者から受けている場合は、必要な情報が不足している可能性があります。求人票やスカウトの段階で回答を盛り込み、候補者が判断しやすい状態を整えてください。
ただし、スカウト文面にすべての情報を詰め込むと長くなります。最初に知りたい内容を簡潔に伝え、詳細は採用ページやカジュアル面談で確認できるように導線を設けましょう。
エンジニア採用の選考途中の離脱を防ぐ方法
候補者との接点を持てても、選考が長引いたり企業理解を深められなかったりすると、途中で辞退される可能性があります。ここでは、選考スピードと候補者体験を改善する方法を解説します。
初回接点までの時間を短縮する
候補者から返信や応募があった後は、面談候補日の提示や質問への回答を速やかに行いましょう。優秀なエンジニアは複数社の選考を並行していることが多く、対応が遅れるほど他社の選考が先に進む可能性があります。
採用担当者だけでは日程を決められない場合は、面接官の予定をあらかじめ確保する、日程調整ツールを活用するなど、返信後すぐに候補日を提示できる体制を整えてください。
ただし、速さを優先するあまり、事務的な連絡にならないよう注意が必要です。候補者への感謝や、面談で話したい内容も添え、自社が関心を持っていることを伝えましょう。
選考工程ごとの所要日数と通過率を確認する
選考を改善する際は、応募から内定までの合計日数だけでなく、各工程にかかった日数を分けて確認しましょう。スカウト返信から面談設定、面談から一次面接、最終面接から合否連絡までを分けると、選考が滞っている箇所を特定できます。
あわせて、書類選考・一次面接・最終面接・内定承諾など、各段階の通過率も確認してください。特定の工程で辞退や不合格が集中している場合は、面接内容や評価基準、候補者への説明に問題がある可能性があります。
数値は職種や採用チャネルごとに分けて管理しましょう。ポジション別に確認することで、それぞれの採用課題を把握しやすくなります。
各面接の目的と評価項目を明確にする
面接回数を減らすだけでは、選考の質が低下する可能性があります。まずは各面接で何を確認するのかを整理し、重複する質問や評価項目をなくしましょう。
たとえば、一次面接では技術経験や問題解決の進め方、二次面接ではチームとの相性や仕事の進め方、最終面接では事業への関心や入社後の役割を確認するなど、目的を分けます。誰が担当しても同じ観点で評価できるよう、質問項目と判断基準を共有してください。
また、候補者を見極めるだけでなく、自社の魅力を伝える担当者も決めましょう。確認事項と伝える内容を整理することで、選考時間を短縮しながら候補者体験も改善できます。
現場エンジニアとの接点を作る
候補者は、使用技術だけでなく、開発フローやコードレビューの進め方、チームの雰囲気、技術的な意思決定の方法も確認しています。人事担当者だけでは説明が難しい内容もあるため、選考中に現場エンジニアと話せる機会を設けましょう。
現場社員から実際の開発環境や課題を伝えることで、候補者が入社後の働き方をイメージしやすくなります。企業側も候補者の技術面やチームとの相性を確認できるため、ミスマッチの防止にもつながります。
ただし、担当者によって伝える内容や評価が変わらないよう、面談前に募集背景や確認項目、候補者へ伝える魅力を共有しておくことが重要です。
内定後も候補者の意思決定を支援する
内定を出した後も、候補者は他社の選考や現職に残る選択肢と比較しています。内定通知を送って回答を待つだけではなく、不安や判断に迷っている点を確認しましょう。
入社後に任せる役割、所属するチーム、期待する成果、働き方などを改めて具体的に伝えます。必要に応じて、上司になる社員やチームメンバーと話せる機会を作る方法もあります。
承諾を急かすのではなく、候補者が納得して判断できる情報を提供することが大切です。選考中に聞けなかった質問にも対応し、入社後の認識のずれを減らしましょう。
エンジニア採用を継続的に改善する運用体制
エンジニア採用を安定して続けるには、担当者個人の経験や努力に頼らず、採用業務を仕組み化することが重要です。業務の進め方を共有し、採用数値を定期的に振り返れる体制を整えましょう。
採用業務の進め方を文書化する
候補者の検索条件やスカウトの送信基準、面接の評価方法などは、担当者の頭の中だけで管理せず、文書として残しましょう。採用業務を文書化すれば、担当者が不在の場合でも、ほかのメンバーが一定の基準で対応できます。
文書化する項目には、採用要件、媒体ごとの検索条件、候補者への連絡期限、面接の質問項目、評価基準などがあります。最初から細かく決めすぎる必要はありません。採用活動を進めながら、必要な項目を追加していきましょう。
ただし、一度作成した内容を固定化すると、市場や採用要件の変化に対応できません。成果が出た方法や現場からの意見を反映し、定期的に更新することが大切です。
採用KPIを定期的に振り返る
採用活動では、応募数や採用人数だけでなく、プロセスごとの数値を継続的に確認しましょう。スカウト送信数、既読率、返信率、面談移行率、選考通過率、内定承諾率などを記録すると、どの段階に課題があるかを把握できます。
たとえば、返信率は高いのに面談へ進まない場合は、日程調整や初回案内に問題がある可能性があります。内定数を確保できても承諾率が低ければ、条件提示や魅力づけ、内定後フォローの見直しが必要です。
数値は記録するだけでなく、一定の期間ごとに人事・経営者・現場責任者で共有しましょう。課題と次に試す施策を決め、実施後の変化まで確認することで、改善を継続できます。
人事と現場エンジニアの役割を分担する
エンジニア採用では、人事と現場エンジニアがそれぞれの強みを生かして役割を分担する必要があります。人事は候補者対応や選考全体の進行、採用数値の管理を担当し、現場は技術要件の整理や候補者の見極め、開発環境の説明を担うと進めやすくなります。
ただし、現場へ採用業務を任せすぎると、本来の開発業務を圧迫するおそれがあります。求人票やスカウトの確認、カジュアル面談、技術面接など、現場の参加が必要な工程をあらかじめ決めておきましょう。
また、候補者へ伝える内容にばらつきが出ないよう、募集背景や任せたい役割、自社の魅力も事前に共有してください。人事と現場が同じ方針を持つことで、候補者へ一貫した情報を届けられます。
エンジニア採用の改善事例
ここでは、エンジニア採用の改善事例を3つ紹介します。
株式会社NovAccel|採用要件を見直した事例

医療系ディープテック企業の株式会社NovAccelでは、社内に採用担当者がおらず、母集団が限られる化学エンジニアの採用に苦戦していました。
当初は「研究機関や製薬会社などでのラジオアイソトープ取扱実績」を必須としていましたが、採用媒体の登録者数を確認したうえで「湿式化学の基礎技術・知見」へ変更。採用後の活躍に必要な条件を維持しながら、対象となる候補者を広げました。
候補者ごとの経歴に合わせたスカウトも行い、プロジェクト開始から3か月で8名に内定を出し、そのうち7名の承諾につなげています。
関連記事:医療×ディープテック領域において、3ヶ月で創業コアメンバー7名を採用できた理由
株式会社キビテク|採用要件とスカウト文面を見直した事例

ロボット関連事業を展開する株式会社キビテクでは、ROSエンジニアの候補者が100名に満たず、アプローチ先も少なくなっていました。
そこで、ROS経験を最優先とし、C++やPythonなどの言語スキルを歓迎要件へ変更。送信者名義も採用担当者からCTO・CEOへ切り替えました。
さらに、長文のスカウトを「短い共通文面+候補者の経歴に触れる2行」へ変更し、質を保ちながら送信工数を削減。その結果、スカウトの既読率は約50〜57%から89%、返信率は0〜3.8%から10.5%まで改善しました。
関連記事:ロボットシステム開発エンジニアを3ヶ月で複数内定・営業Mgrを1名採用に導いたスカウト設計
REHATCH株式会社|選考体制を整えて採用スピードを改善した事例

REHATCH株式会社では、LLMエンジニアをはじめとする希少人材の採用において対応スピードが不足し、競合企業に先を越されやすい状況でした。
そこで、採用方針を「スピード」と「求める人材へのピンポイントなアプローチ」に統一。エージェントと採用要件を細かくすり合わせ、実績に応じた紹介会社の優先順位も設定しました。
さらに、書類選考や初期スクリーニングをRecboo側で担い、社内の負担を軽減するとともに選考フローを簡略化。その結果、3か月でエンジニアやインターン計8名の採用に貢献しています。
関連記事:「ネクストユニコーン人材」を惹きつける採用戦略の新基盤
エンジニア採用に関するよくある質問
最後に、エンジニア採用の手法や採用要件について、企業から寄せられやすい質問に回答します。
求人媒体とダイレクトリクルーティングはどちらを使うべきですか?
求人媒体とダイレクトリクルーティングは、どちらか一方に絞るのではなく、採用対象や社内の運用体制に合わせて使い分けることが大切です。
求人媒体は、転職意欲が高い人へ広く情報を届けやすい一方、基本的には候補者からの応募を待つ手法です。専門性の高い経験者や転職潜在層へアプローチしたい場合は、企業側から候補者を探して連絡できるダイレクトリクルーティングが適しています。
ただし、ダイレクトリクルーティングでは、候補者の検索やスカウト文面の作成、数値の改善に一定の工数が必要です。自社で運用するリソースが不足している場合は、人材紹介や採用代行の利用も検討しましょう。
即戦力のエンジニアを採用できない場合はどうすればよいですか?
即戦力のエンジニアを採用できない場合は、まず必須要件が厳しすぎないかを確認しましょう。経験年数や使用言語、業界経験などを細かく指定すると、対象となる候補者が極端に少なくなる可能性があります。
入社直後の業務に欠かせない条件だけを必須とし、入社後に習得できる技術は歓迎要件へ移します。また、類似する言語や開発環境での経験がある人、基礎スキルと学習意欲を持つ人など、ポテンシャル層まで対象を広げる方法もあります。
ただし、採用要件を緩めるだけでは、入社後のミスマッチにつながりかねません。ポテンシャル層を採用する場合は、教育担当者や研修内容、習得してほしいスキルと期間を事前に決めておきましょう。
まとめ
エンジニア採用が難しい背景には、IT人材の不足だけでなく、異業種を含む採用競争の激化や、候補者が働き方・開発環境まで比較するようになったことがあります。求人媒体へ掲載して待つだけでは、転職潜在層や専門性の高い経験者と接点を持てない場合もあります。
採用を改善するには、まず採用要件・スカウト・選考・運用体制のどこに課題があるかを確認しましょう。そのうえで、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、採用広報、人材紹介などを組み合わせることが大切です。
さらに、現場エンジニアを採用活動に巻き込み、選考工程ごとの所要日数や通過率を確認することで、候補者の離脱を防ぎやすくなります。採用業務の文書化や数値の振り返りも行い、継続的に改善できる体制を整えましょう。
Recbooとは

「Recboo」は、株式会社ノックラーンが提供する中途採用支援サービスです。東証プライム上場のエアトリグループ子会社としての信頼性も魅力の企業です。
主に、スタートアップのシードから上場企業まで採用支援に多数の実績をもち、採用コンサルティングからCXO採用などのハイレイヤー採用の支援まで柔軟に対応できるのが特徴です。
直近ではディープテック系のスタートアップ企業などの実績もあり、幅広いターゲットに合わせたダイレクトリクルーティングノウハウを保持しているのが強みになります。
Recbooの特徴
・圧倒的なダイレクトリクルーティング運用ノウハウを用いた採用支援
・採用戦略設計から実行まで一気通貫で支援できる体制
・CXOクラスのハイレイヤー採用特化の支援も可能
・既存DBに加え、国内外の研究室アプローチなどバイネームアプローチも対応可能
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