2026.06.22

リファレンスチェックとは?実施するメリットや進め方、注意点を解説

リファレンスチェックとは?実施するメリットや進め方、注意点を解説

せっかく人材を採用できたにも関わらず、入社後にミスマッチが起きて早期離職に至ることも珍しくありません。その点、リファレンスチェックを取り入れると、候補者と一緒に働いた上司や同僚から話を聞き、実際の働き方や強みを具体的に把握できます。

本記事では、リファレンスチェックの概要や聞くべき質問、導入するメリット、実施手順などを分かりやすく解説します。リファレンスチェックをする上での注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

リファレンスチェックとは

リファレンスチェックとは、採用候補者と一緒に働いたことがある上司や同僚に話を聞き、実際の働き方や強み、人との関わり方を確認する手続きです。

面接だけでは見えにくい「この人は入社後も活躍できそうか」を判断しやすくなります。また、入社後にミスマッチが起きそうなポイントにも事前に気づけます。

特にスタートアップでは、1人の採用がチームに与える影響が大きいため、判断の精度を高める目的で活用されることが多いです。

リファレンスチェックとバックグラウンドチェックの違い

リファレンスチェックは、候補者と実際に働いたことがある人に話を聞き、仕事の進め方やチームとの関わり方を確認する方法です。人柄や成果の出し方など、書類や面接だけでは分からない部分を知るために実施します。

一方、バックグラウンドチェックは、学歴や職歴、資格などの情報が正しいかを書類や記録で確かめる手続きです。経歴に誤りがないかを確認する目的で実施されます。

つまり、リファレンスチェックは「働き方の実態」を見るもので、バックグラウンドチェックは「経歴の正確さ」を確認するものです。どちらも本人の同意を得たうえで、必要な範囲に絞って行うことが大切です。

リファレンスチェックで質問するべき内容

ここでは、リファレンスチェックで質問するべき内容について詳しく解説します。

仕事の成果と強み

リファレンスチェックで必ず確認したいのが、候補者がどんな成果を出してきたかです。数字で語れる実績がある場合は、どの目標に対して何を工夫して達成したのかを聞くと再現性が見えてきます。

あわせて、強みが発揮された場面や、周囲から評価されていた点も確認しましょう。本人の自己評価と、第三者から見た強みが一致しているかも参考になります。

また、成果が出なかった時にどう立て直したかを聞いておくと、伸びしろや粘り強さも判断しやすくなるでしょう。

仕事の進め方・働き方の特徴

スタートアップやベンチャー企業では、決まった手順がない中で前に進める力が重要になりやすいです。そのため、タスクの優先順位の付け方や、情報が足りない時にどう動くかを質問することをおすすめします。

スピード重視で動けるタイプか、慎重に固めてから進めるタイプかも確認しておくと配属のミスマッチを減らせます。リモートワークやフレックス勤務など働き方の変化への適応も聞いておくと安心できるでしょう。

コミュニケーションの傾向

コミュニケーションの傾向もチェックしておきたいものです。報連相の頻度や、相談や共有のタイミングを聞くと、チームで働く姿が想像しやすくなるでしょう。意見がぶつかった時にどう調整するか、相手の立場をどう理解するかも重要です。

また、スタートアップでは職種をまたいで動く場面が多いので、非エンジニアや他部署とも協力できたかを聞くのもおすすめです。フィードバックを受けた時の反応や改善の仕方も確認しておくと、成長のスピードを見極めやすいでしょう。

活躍しやすい環境や役割

リファレンスチェックでは、どんな環境や役割で力を出しやすいかを聞いておくのも効果的です。裁量が大きい方が伸びるのか、役割や目標が明確な方が動きやすいのかを確認しましょう。

上司の関わり方や評価のされ方でパフォーマンスが変わる人もいるため、マネジメントの相性も見ておきたいです。また、チーム規模の大小や、変化の多い状況への耐性もあわせて聞くと良いでしょう。

苦手な状況や避けたい条件も丁寧に確認しておけば、採用のミスマッチを防ぎやすくなります。

リファレンスチェックを実施するメリット

リファレンスチェックを実施するメリットを紹介します。取り入れるか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

採用後のミスマッチや早期離職のリスクを減らせる

リファレンスチェックを行うと、入社後に起こる可能性のあるズレを事前に把握しやすくなります。

たとえば、求める役割に対して得意不得意がある場合や、働き方の希望が合わない場合は、面接だけだと見落としがちです。第三者の視点で仕事の進め方や価値観を確認できれば、採用するかを判断しやすくなります。

結果として、入社後に「思っていた仕事と違った」と感じるリスクが下がり、早期離職の予防につながるでしょう。

面接だけでは見抜けないリアルな仕事ぶりが分かる

面接では、話し方が上手な人ほど良い印象を持ちやすく、実際の働き方までは判断しにくいことがあります。リファレンスチェックでは、忙しい時の対応や優先順位の付け方、周囲との協力のしかたなど、日常の行動を具体的に確認できます。

成果についても本人の説明だけでなく、一緒に働いた人の評価を合わせて把握できるでしょう。こうした情報があると、入社後に期待する動きを現実的にイメージしやすくなります。

チームに合うかどうかを判断しやすくなる

スタートアップは少人数で動くことが多く、チームとの相性が仕事の進みやすさに大きく影響します。リファレンスチェックでは、普段のコミュニケーションの取り方や、意見がぶつかった時の対応、フィードバックを受けた時の反応を具体的に確認できます。

1人で進めるのが得意なのか、周囲を巻き込みながら進めるタイプなのかも分かるでしょう。自社の雰囲気や意思決定のスピードに合うかを判断しやすくなり、採用の納得感を持ちやすくなります。

入社後の育成やフォローを具体的に考えられる

リファレンスチェックは合否判断だけでなく、入社後のサポート内容を考えるのにも役立ちます。どんな環境で力を発揮しやすいか、どこでつまずきやすいかを事前に知っておくと、オンボーディングの内容を調整しやすくなるでしょう。

また、過去に成長につながった関わり方も確認しておけば、上司やメンターが支援しやすくなります。最初に任せる仕事や、確認のタイミングを具体的に決められる点もメリットです。

入社後の配属や役割設計の精度が上がる

同じ職種でも、得意な仕事のタイプや成果の出し方は人それぞれです。リファレンスチェックで、これまでどんな役割を任されていたかや、成果が出た業務の特徴を聞いておくと、配属を決めやすくなります。

たとえば、新しい仕組みづくりが得意なのか、既存の業務を改善する方が力を発揮するのかで向くポジションは変わります。現実に合った期待値で役割を決められるため、入社後もスムーズに業務へ適応しやすくなるでしょう。

リファレンスチェックを取り入れる際の注意点

リファレンスチェックを取り入れる際には、押さえるべき注意点があります。ここでは、4つの注意点について解説します。

本人の許可を取り、誰に何を聞くか事前に伝える

リファレンスチェックは、必ず本人の同意を得てから行います。無断で連絡してしまうと、不信感を与えるだけでなくトラブルの原因にもなります。

同意を取るときは、誰に連絡するのかや、どんな内容を確認するのかをあらかじめ伝えておくと安心してもらえるでしょう。

また、候補者に紹介先を選んでもらう場合でも、直属の上司や一緒に働いた同僚など、仕事ぶりをよく知る人を含めてもらうよう案内すると進めやすくなります。

個人情報の扱い方を社内で決めておく

リファレンスチェックでは、候補者に関する情報を第三者から受け取るため、個人情報の管理が大切です。どこに保管するか、誰が見れるのか、いつまで保存するのかをあらかじめ決めておきましょう。

また、口頭で聞いた内容でも、メモや録音を残せば情報として扱われます。記録の方法をそろえておくと、社内での混乱を防げます。

さらに、閲覧できる人は採用に関わる最小限のメンバーに限定し、採用後にどう扱うかもルール化しておくと安心です。外部サービスを使う場合は、契約内容やセキュリティ面も確認しておきましょう。

プライベートや差別につながる質問はしない

リファレンスチェックでは、仕事に関係する内容だけを確認するようにします。家庭の事情や国籍、思想など、私生活に踏み込む質問は避けましょう。差別につながる可能性がある話題は、雑談の流れでも触れない方が安心です。

代わりに、仕事の成果や役割での動き方、チームでの関わり方など、業務に直結する内容を中心に聞きましょう。あらかじめ質問項目を用意し、面接で見ている評価ポイントに沿って確認すると、判断がぶれにくくなります。

悪い評価が出てもすぐ不採用にせず、事実関係を確かめる

リファレンスチェックの内容は、話した人の感じ方や当時の状況に影響されることがあります。評価が低かった場合でも、そのまま不採用に決めるのではなく、まず背景を確認することが大切です。

たとえば、会社の方針とのズレや上司との相性、任されていた仕事の難しさが影響している可能性もあります。気になる点があれば候補者本人にも確認し、説明の機会を設けましょう。

また、複数の人から同じ指摘が出ているかも見ておくと判断しやすくなります。最後は自社の求める役割に合うかどうかを基準に、落ち着いて見極めることが重要です。

リファレンスチェックを実施する流れ

リファレンスチェックを実施する流れを、5つのステップに分けて解説します。

①目的と確認したいポイントを決める

まず、リファレンスチェックで何を確かめたいのかを決めます。即戦力として動けそうかを見たいのか、チームの雰囲気に合うかを知りたいのかによって、聞く内容は変わります。

そのうえで、募集している職種に合わせて確認ポイントを3〜5個ほどに絞ります。たとえば、成果の出し方や優先順位の付け方、周囲との協力のしかたなど、入社後の仕事に直結する内容を中心にすると効果的です。

あわせて評価の基準も整理しておくと、聞いた内容を比べやすくなり、判断に迷いにくくなるでしょう。

②候補者に説明して同意を得る

リファレンスチェックの目的や進め方が決まったら、候補者にリファレンスチェックを行う理由を説明し、同意をもらいましょう。誰に連絡するのか、どんな内容を確認するのか、何人に聞く予定かを事前に伝えておくと安心してもらえます。

紹介先を候補者に選んでもらう場合でも、直属の上司や一緒に働いた同僚など、仕事ぶりをよく知る人を含めてもらうよう案内しましょう。あわせて、結果を誰が見るのか、いつ実施するのかも説明しておくと誤解を防げます。

③提供者へ依頼して事前準備を行う

同意が取れたら、リファレンス提供者に連絡して協力を依頼します。

連絡する際は、実施の目的や所要時間、どんな内容を聞くのか、回答方法を簡単に伝えると応じてもらいやすくなります。あわせて、情報は採用判断のためだけに使うことも説明しておくと安心してもらえます。

日程を決めるときには、候補者との関係や一緒に働いていた時期も軽く確認しておきましょう。さらに、社内で質問リストと記録用のフォーマットを用意して、担当者によって聞き方が変わらないように体制を整えることも大切です。

④リファレンスチェックを実施・記録する

続いて、リファレンスチェックを実施・記録します。リファレンスチェックの当日はまず自己紹介を行い、実施の目的や所要時間、確認する内容をあらためて伝えます。そのうえで、準備しておいた質問に沿って具体的なエピソードを聞いていきましょう。

成果だけでなく、困った状況での対応や周囲との協力のしかたも確認すると、実際の働き方が見えやすくなります。この際、評価が感想だけにならないよう、「いつ・どんな場面でそう感じたか」をあわせて聞くのがポイントです。

得られた回答はあらかじめ決めたフォーマットに沿ってまとめ、事実と意見を分けて記録すると良いでしょう。

⑤内容を確認し、採用判断と情報管理を行う

リファレンスチェックで聞いた内容は、募集要件と照らし合わせながら整理し、面接の評価と合わせて総合的に判断しましょう。

この際、気になる指摘があっても、すぐに不採用と決めるのではなく、候補者本人に確認して背景を確かめるのがおすすめです。また、複数の人から同じ内容が出ているかを見ると、判断の納得感も高まるでしょう。

なお、採用の可否を決めた後は、情報の扱いにも注意が必要です。閲覧できる人を採用関係者に限定し、保管場所や保存期間をルールに沿って管理しましょう。

リファレンスチェックに関するよくある質問

リファレンスチェックに関するよくある質問に回答するので、ぜひ参考にしてください。

聞いてはいけない・扱いに注意が必要な質問はありますか?

リファレンスチェックでは、質問の内容に注意が必要です。確認できるのは仕事に関係する範囲に限られます。

家庭の事情や健康状態、宗教、国籍、思想、結婚や妊娠の予定など、私生活に踏み込む質問は避けましょう。差別につながる可能性がある話題は、雑談の流れでも触れない方が安心です。

代わりに、成果の出し方や仕事の進め方、チームでの関わり方など、業務に直結する内容を中心に確認します。こうした点に絞ることで、トラブルを防ぎながら適切な判断がしやすくなります。

リファレンスチェックを候補者が嫌がったらどうすればいいですか?

候補者がリファレンスチェックを嫌がる場合は、まず理由を落ち着いて確認しましょう。現職に知られたくない、紹介できる人がいない、前職との関係が良くないなど、事情は人によって異なります。

そのうえで、なぜ実施するのか、いつ行うのか、誰に何を聞くのか、情報をどう扱うのかを丁寧に説明すると不安が和らぐことがあります。現職への連絡を避け、退職済みの上司や同僚に限定するなど柔軟に調整するのも有効です。

それでも難しい場合は、追加面談や課題、職務経歴の深掘りなど別の方法で判断材料を補いましょう。本人の同意なく進めないことが大切です。

ネガティブな内容が出たとき、候補者に伝えるべきですか?

必ずしもすべてを伝える必要はありませんが、採用判断に関わる内容であれば本人に確認した方が公平です。リファレンスの評価は、話した人の受け取り方や当時の状況に左右されることもあります。まずは背景や具体的な場面を整理しましょう。

そのうえで、確認が必要な点だけを選び、誰の発言か分からない形で伝える配慮が大切です。候補者の説明を聞いたうえで、自社の求める役割に合うかどうかを判断すると納得感のある結論につながります。

伝える目的は詰問ではなく、ミスマッチを減らすためだと共有すると進めやすいでしょう。

リファレンスチェックはいつ実施するのが一般的ですか?

リファレンスチェックは、選考が進み内定に近づいた段階で行うのが一般的です。早い段階で実施すると候補者や紹介者の負担が増えてしまいます。

一方で、最終判断の直前に行うと、確認したい点が出たときにスケジュールが詰まりやすくなります。目安としては、最終面接の前後や条件提示の前に行うと判断に活かしやすくなるでしょう。

現職に知られたくない候補者もいるため、誰に連絡するかや実施のタイミングは、本人と相談して決めることが大切です。

何名に聞くのが良いですか?1名では足りませんか?

目安は2〜3名です。1名だけだと、その人の感じ方や関係性に評価が偏る可能性があります。複数の人に聞くことで、共通して挙がる強みや課題が見えやすくなり、判断の納得感も高まります。

できれば、直属の上司と一緒に働いた同僚など、立場の違う人を組み合わせるとバランスよく把握できます。ただし、状況によっては1名しか紹介できないこともあります。その場合は追加面談などで情報を補い、不足がある前提で慎重に判断しましょう。

まとめ

リファレンスチェックは、候補者と一緒に働いた上司や同僚に話を聞き、実際の働き方や強みを確認する方法です。面接だけでは見えにくい点を補えるため、ミスマッチや早期離職のリスクを下げやすくなります。

リファレンスチェックを導入する際は、目的と質問項目を整理し、本人の同意を得たうえで実施しましょう。個人情報の管理や、差別につながる質問を避ける配慮も欠かせません。

ぜひ、本記事の内容を参考にして、リファレンスチェックを導入して採用課題を解決に導いてください。

こちらの記事の監修者

株式会社ノックラーン代表取締役

福本 英Fukumoto Akira

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。

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