2026.06.22

CHRO採用とは?役割・必要性・採用方法・成功させるポイントを徹底解説

CHRO採用とは?役割・必要性・採用方法・成功させるポイントを徹底解説

CHROを採用したいものの、適切な人材が見つからずに悩んでいる企業も多いでしょう。

また、これからCHRO採用を検討しているものの、「そもそも何を任せるべきか」「自社に本当に必要なのか」が分からないケースも少なくありません。

CHROを採用する際には、会社のフェーズや経営課題に合った役割を定め、権限やミッションを明確にしておかないと、入社後にズレが生じやすくなります。

一方で、CHROが担う範囲を整理できれば、人事戦略を軸にした組織づくりを前進させられるでしょう。

本記事では、CHROの基本的な意味や責任範囲、CHROが必要になるタイミング、採用方法、成功させるためのポイントについて分かりやすく解説します。

CHROとは?

ここでは、CHROがどのようなポジションなのかを解説します。言葉の意味だけでなく、主な役割や責任範囲についても整理します。

CHROの正式名称と意味

CHROとはChief Human Resources Officerの略称で、最高人事責任者と呼ばれています。経営陣の一員として、人や組織の側面から経営を支える重要な役職です。

従来の人事部長は、現場の労務管理や採用活動の実行を主な役割としていました。一方でCHROは、経営戦略を実現するためにどのような組織文化を築き、どのような人材を配置すべきかを考える役割があります。

欧米では一般的なポジションでしたが、近年は日本でも重要性が高まり、導入する企業が増えています。

CHROの主な役割・責任範囲

CHROの主な役割は、経営目標を達成するための人事戦略を立案し、実行することです。具体的には、採用や配置、評価制度の設計、次世代リーダーの育成などが挙げられます。

また、企業理念の浸透や組織文化の構築も重要な任務の一つです。従業員のエンゲージメントを高めて組織全体のパフォーマンスを最大化させる役割を担っています。

CHROが必要になるタイミング

企業にCHROが必要とされる代表的なタイミングを、フェーズ別に解説します。

スタートアップ・創業初期フェーズ

創業初期のフェーズでは、社長が一人で人事全般を兼務しているケースがほとんどです。しかし、組織の土台となる文化を築くためには、早い段階からCHROが必要になります。

この初期の段階では、どのような価値観を大切にするべきかを明文化し、組織に浸透させることが求められます。また、会社の将来を左右する採用においても、経営の目線を持った人事のプロが関与することで、ミスマッチを防げます。

組織の基盤を高めるために、創業期からCHROが関与するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

事業拡大・組織成長フェーズ

事業が軌道に乗り、人員が急増する成長フェーズでは、採用基準や評価の考え方が部門ごとに異なったり、マネージャーによって育成方針に差が出たりと、組織の歪みが生まれやすくなります。

このタイミングでCHROを配置することで、バラバラになりがちな組織を一つの方向にまとめることが可能です。急速な拡大に伴う採用スピードの維持だけでなく、メンバーが定着して活躍できる評価制度や育成環境を整える責任があります。

現場のマネジメント層を育成し、会社の規模に見合った組織運営を確立させることが、この時期のCHROに求められるでしょう。

組織拡大・IPO準備フェーズ

IPO準備やさらなる組織拡大を目指すフェーズでは、対外的な説明責任やガバナンスの強化が必要になります。投資家などのステークホルダーに対して、自社の人的資本がどのように事業の強みにつながっているかを論理的に示す役割がCHROに求められるのです。

また、上場基準に見合う労務管理体制の整備や、法令を遵守した組織づくりも重要です。単なる社内の人事管理にとどまらず、市場から評価される魅力的な組織を構築することが不可欠になります。

この段階でのCHROは、人や組織の面から、企業の信頼づくりを支える役割を担います。

CHRO採用が難しいと言われる理由

CHRO採用が他ポジションと比べて難しい理由を整理します。

求められるスキル・視座が幅広い

CHROには、人事に関する深い専門知識だけでなく、経営全般を俯瞰する高い視座が求められます。財務やマーケティングといった事業側の理解も深くなければ、実効性のある人事戦略を描くことは難しいでしょう。

さらに、経営陣と現場の従業員をつなぐ調整能力や、組織を変革していくための強いリーダーシップも必要とされます。

これら全ての要素を兼ね備えた人材は極めて珍しいため、採用難易度を引き上げる大きな要因になっているのです。

市場にCHRO経験者・候補者が少ない

日本の労働市場において、実際にCHROとして活躍した経験を持つ人材は非常に限られています。これまでは、人事部長が事務的な管理を担うことが多く、経営に関与するCHROという役職が普及し始めたのは比較的最近のことだからです。

そのため、高い経営意識を持った人事のプロフェッショナルが不足しており、CHRO候補者の採用は年々難しくなっています。また、優秀なCHRO候補者は現在の職場でも重宝されていることが多く、転職市場に出てくること自体が稀です。

したがって、限られた候補者の中から自社に合う人材を見つけ出すのは、非常に難しいと言えるでしょう。

CHROに期待する役割が曖昧になりやすい

CHROを採用する際に、企業側が期待する役割を具体化できていないことが多々あります。

単なる採用の強化を求めているのか、それとも組織文化の刷新を任せたいのかが曖昧なまま募集をかけてしまうのです。

その結果、候補者との面談で期待値のズレが生じたり、入社後に実力を発揮できなかったりする問題が起こります。経営陣の間でもCHROの定義がバラバラだと、適切な評価ができず不満につながる恐れもあるでしょう。

何を解決するための採用なのかを明確に定義できないことが、採用を難しくさせている要因となっています。

組織内の権限とリソースの制限

CHROとして入社したものの、期待された成果を出せない原因の一つに、権限やリソースの不足があります。

特にスタートアップや中小企業では、人事に割ける予算や実務を担う人員が限られているケースが少なくありません。また、社長が最終決定権を強く握りすぎている環境では、CHROが自律的に動くことは難しいでしょう。

実力のある人材ほど、自分がどこまで裁量を持って動けるかを重視する傾向にあります。そのため、入社前に会社側がどこまで投資を行い、どの範囲の判断を任せるのかを明確に提示することが重要となります。

CHRO採用の主な方法

CHROを採用・配置する代表的な方法を3つ紹介します。

正社員としてCHROを採用する

正社員としてCHROを採用する方法は、中長期的な視点で組織づくりを任せたい場合に適しています。自社の理念に深く共感し、全力で組織課題に向き合ってくれる人材を確保できるのが最大のメリットです。

さらに、経営会議にも常時参加するため、スピード感のある意思決定と実行が可能になります。

ただし、年収水準が高くなることが多く、採用までに数ヶ月から一年以上の期間を要することも少なくありません。エージェントの活用や直接のスカウトなど、コストと手間をかけてじっくりと理想の人物像を探し続ける粘り強さが必要になるでしょう。

業務委託・外部CHROを活用する

業務委託や外部のプロ人材をCHROとして活用する手法も、近年注目を集めています。週に数日の稼働や特定の課題に対する相談といった形で、高い専門性を持つ人材の知見を取り入れられるのが特徴です。

さらに、正社員として採用するよりもコストを抑えやすく、必要なフェーズだけ力を借りるといった柔軟な運用ができます。外部の視点が入ることで、社内では気づけなかった組織の課題を客観的に把握できる利点もあるでしょう。

専任のCHROを置く余裕はないものの、組織戦略の土台を作りたいという成長企業にとって、有効な選択肢となるはずです。

社内人材をCHROに登用する

自社の価値観や人間関係を深く理解している社内人材をCHROに登用する手法は、現場の反発を招くことなく施策を進めやすいメリットがあります。経営陣との信頼関係も既に構築されているので、スムーズに業務を開始できるでしょう。

一方で、外部採用に比べると人事の専門性や経営的な視点が不足している場合があるため、外部研修やコーチングによる育成が必要になるケースもあります。

社内の優秀な人材に経営の視座を身につけてもらい、長期的なキャリアパスとしてCHROという役割を提示することは、組織全体の士気を高めることにもつながるでしょう。

関連記事:【CHRO候補】スタートアップ企業の1人目人事採用マニュアル!採用の流れやポイントを解説

CHROの主な採用手段・採用チャネル

CHROの主な採用手段・採用チャネルを3つ紹介します。

ハイレイヤー採用媒体の活用

ハイレイヤー採用媒体は、CHRO経験者や人事責任者クラスに直接アプローチできる手段です。

組織フェーズや課題に合わせて、採用強化や制度改定、組織開発など、求める経験で絞り込みながら探せます。スカウトでは、任せたい領域と期待する成果、レポートラインやチーム体制を具体的に伝えると検討されやすいでしょう。

また、候補者は複数社を比較していることが多いため、報酬だけでなく、裁量の範囲や経営陣との距離感、現場の温度感なども詳しく説明できると信頼につながります。

選考では過去の実績に加えて、同じ課題を再現性高く解けるかを深掘りして見極めましょう。

人材紹介の活用

人材紹介会社を活用すると、要件に合う候補者へ短期間でアプローチできます。公開求人では届きにくい現職者にも声をかけられるので、母集団を広げやすいです。市場の動きや報酬相場も共有してもらえるため、条件設計の精度が上がるでしょう。

依頼前に役割と期待成果、レポートライン、採用の背景を具体的に伝えて、紹介基準をそろえると良いです。面談後は評価と懸念点を早めに返し、次の提案につなげます。意思決定が遅れると辞退につながりやすいため、面接日程と最終判断の目安も共有しましょう。

関連記事:【2026年3月最新版】人材紹介サービス14選を徹底比較!スタートアップの採用を成功に導く選び方

リファラル採用

リファラル採用は、経営陣や社員の紹介で候補者とつながる方法です。

CHROは経営に近い立場で組織の課題を扱うため、制度設計の知識だけでなく、信頼関係を築く力や価値観の相性が重要になります。紹介であれば人柄や仕事の進め方を事前に把握しやすく、入社後のギャップを減らせるでしょう。

一方で、紹介者のネットワークに偏りが出やすく、候補者の幅が狭くなることがあります。求める役割や権限、優先ミッションを言語化した上で、実績の再現性や社内での立ち回りを丁寧に確認しながら進めると安心です。

関連記事:効果の出るリファラル採用とは | 始め方と周囲を巻き込む方法について徹底解説

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業が候補者を自ら探し、直接声をかけて採用につなげる方法です。CHROは人事の専門性だけでなく、経営目標から逆算して人材戦略を描ける力が求められるため、応募を待つより探しに行くほうが成果が出やすいでしょう。

アプローチ時は、組織課題、任せたい領域、意思決定の権限、経営陣との関わり方まで具体的に伝えると反応が良くなります。面談では価値観やカルチャー適合も丁寧に確認し、入社後のズレを減らしていきましょう。

関連記事:【ダイレクトリクルーティング入門】始め方やメリット・注意点について徹底解説

ヘッドハンティング

ヘッドハンティングは、ヘッドハンターが独自のネットワークを使い、転職市場に出ていないCHRO候補へ非公開で接点を作る手段です。事業拡大や組織変革の局面では、経験者を短期間で確保したい場面があり、そのときに有効です。

守秘性を保ちながら進められるので、後任計画や組織再編に関わる採用でも動きやすくなります。成功の鍵は、求める人物像を広げすぎず、変えたい組織の状態と期待する成果を言葉にして共有することです。

CHRO採用を成功させるためのポイント

CHRO採用を成功に導くために押さえるべきポイントを解説します。

CHROに求める役割・ミッションを明確にする

採用を始める前に、CHROにどのようなミッションを託したいのかを具体的に整理しましょう。具体的には、離職率の低下や採用基準の統一、次世代リーダーの育成など、解決したい課題を絞り込むことが重要です。

この部分が曖昧なままであると、スキル過多の人材を選んでしまったり、逆に実力不足の人材を採用したりする失敗につながります。

こうしたズレを防ぐためにも、経営陣で話し合い、入社後一年間でどのような状態になっていてほしいかを言語化するようにしましょう。求める役割が明確であれば、候補者に対しても自社で働く魅力や意義を正確に伝えられるようになるはずです。

CHROに与える権限と責任範囲を整理する

CHROが実力を発揮するためには、適切な権限を与えることが不可欠です。肩書きだけを渡して、実際の決定権は社長が握り続けているような状態では、優秀な人材はすぐに離れる恐れがあります。

具体的には、人事業務だけでなく、必要に応じて組織改編や予算配分にも関与できる範囲を明確にしておきましょう。

また、どこまでをCHROが最終決定し、どこからが社長の判断を仰ぐべきなのかという線引きも共有しておくべきです。あらかじめ責任の所在をはっきりさせておくことで、スピード感を持って改革を進められる体制を構築できます。

CEO・経営陣との相性を重視する

経営の根幹に関わる役職であるため、CEOや他の経営メンバーとの人間的な相性は極めて重要です。どれほど優れたスキルを持っていても、経営陣と価値観が合わなければ、組織の方向性を一致させることはできません。

特にCHROは、CEOが言いづらい組織の欠点を指摘しなければならない場面もあります。お互いに本音で語り合える信頼関係を築けるか、人間性や価値観が響き合うかを慎重に判断しましょう。

会食や長時間の対話を通じて、お互いに背中を預けられるパートナーになれるかどうかを確認する場を設けることが重要です。

CHROのオンボーディングと初期の成果

採用して終わりではなく、入社後のオンボーディングにも力を入れる必要があります。

特に外部から招いたCHROの場合、社内の人間関係や過去の経緯を把握するまでに時間がかかります。そのため、まずは小さなことから着手してもらい、現場の信頼を獲得することで、その後の大胆な変革もスムーズに進みやすくなります。

また、経営陣との定期的な振り返りの時間を設け、認識のズレを解消し続けることも重要です。新しいCHROがスムーズに組織に馴染める環境を、会社全体で整えるようにしましょう。

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まとめ|難しいCHRO採用を成功させよう

CHRO採用において、まずはCHROの役割や権限を事前に明確にすることで、自社に最適な人材を確保しやすくなります。

そして、正社員採用だけでなく、外部人材の活用や社内登用といった選択肢も検討しながら、自社のフェーズに合わせて柔軟に進めることが大切です。

組織課題を解決し、持続的な成長を実現するためにも、まずは自社に欠けている視点を整理することから始めてみてください。もし自社での採用に限界を感じた場合は、専門のサービスを頼ってみるのもよいでしょう。

ぜひ本記事の内容を参考にしながら、自社にとって最適なCHRO採用の進め方を検討してみてください。

関連記事:【2026年最新】採用代行(RPO)おすすめ40選比較!料金相場や選び方などを徹底解説

こちらの記事の監修者

株式会社ノックラーン代表取締役

福本 英Fukumoto Akira

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。

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