特集 2026.10.03

【ATSインタビュー】ATSはいつから必要?HERPに聞く、アーリーフェーズスタートアップの採用体制づくり

【ATSインタビュー】ATSはいつから必要?HERPに聞く、アーリーフェーズスタートアップの採用体制づくり

「採用を変え、日本を強く。」をミッションに掲げ、採用管理システム「HERP Hire」を軸に事業を展開してきた株式会社HERP。最近では、企業と求職者の出会いそのものに踏み込むマッチング事業へと領域を広げています。

採用管理システムや人材紹介会社向けのSaaSを通じて採用の現場に向き合い続けてきた中で見えてきたのは、企業も求職者も「良い出会い」にたどり着けていないという根本的な課題でした。この課題に、HERPはどう向き合っているのでしょうか。

今回は、株式会社HERPの冨田様に、サービスの成り立ちから機能の特徴、採用市場の展望までお話を伺いました。


<HERPの想い・成り立ち>

HERPの事業の成り立ちについて教えてください

私たちは「採用を変え、日本を強く。」というミッションに向き合っている会社です。採用管理システムを起点に、人材紹介会社様向けのジョブミルや求職者様向けのメディアなどを展開してきました。

その中で見えてきたのが、企業様は良い人に出会えず、求職者様も本当に合う企業を見つけにくいという「出会い」の課題です。

採用を強くするためには、この「出会い」の部分にも踏み込む必要があると考え、現在は企業と求職者の出会いそのものを生み出す領域に挑戦しています。

採用管理システム「HERP Hire」が生まれた背景を教えてください

代表はもともと採用担当や人事責任者を経験しており、人事の仕事には無駄が多いという課題意識を持っていました。さまざまな事業を模索する中で、解決策としてたどり着いたのが採用管理システムです。

当初はまだ機能が十分ではありませんでしたが、それでも満足度高く使ってくださる企業様に恵まれました。共通していたのは、当時まだ言語化されていなかった「スクラム採用」を、すでに実践されていたことです。

現場メンバーも巻き込み、全社員で一丸となって採用を進めていく企業様にとっては、タイムラインのUIや各種連携こそが必要なもので、他の機能は後から補っていけばいいと捉えていただけました。

この思想と体験が、HERP Hire の原点になっています。

HERPが後発でありながら選ばれてきた理由を教えてください

ITスタートアップを中心に、採用への熱量が高く、新しい取り組みに前向きな企業様に選んでいただいたことが大きかったです。そうした企業様からのフィードバックに素早く応え、必要な機能を開発してきたことが成長につながったと思います。

あわせて、当時からコミュニティ運営にも力を入れていました。サービス利用の有無にかかわらず、人事の方々が集まり採用について学び合える場を作っていたことも、選んでいただけた背景にあると思います。

<企業と求職者の出会いをつくる仕組み>

求職者と企業はどのような形でマッチングする仕組みですか

求職者様が企業様と出会う入り口は、大きく2つあります。1つが当社の運営する求人メディア、もう1つが人材紹介会社様とのネットワークです。

1つ目が、求人メディア「HERP Career」です。企業様に求人を掲載いただくと、その求人に合う求職者様へ自動でレコメンドが届きます。求職者様が興味を持つと企業様側にも通知が届き、双方が会ってみたいとなった時点で面談につながる「面談リクエスト」という機能です。求職者様ご自身が求人を見つけて直接応募することもできます。

2つ目が「HERP Agent Network」です。

エージェント様が通常提案できるのは、自社で契約している求人に限られます。そこで弊社のエージェント向けのプラットフォームである「ジョブミル」では、自社の求人を管理する機能に加えて、15種類以上の採用管理システムと連携して集約した、業界横断の求人データベースにもアクセスできるようにしています。

エージェント様が求職者様に合う求人を探し、企業様へ推薦いただける仕組みです。この2つの入り口を組み合わせることで、企業様と求職者様の出会いを広げています。

<ATS「HERP Hire」の機能・特徴>

HERP Hire が特に力を入れている機能を教えてください

前提として、HERP Hire では応募管理の基盤構築や効率化だけでなく、「採用力の向上」に貢献するATSを目指しています。その上で、力を入れているのは大きく3つです。

1つ目が、現場メンバーも採用に参加する「スクラム採用」を支える機能です。Slack連携や柔軟な権限設定、企業様に合わせた選考フローの設計などによって、現場を巻き込んだ採用活動を進めやすくしています。

自社でより柔軟に仕組みを構築したい企業様向けには、APIも公開しています。

2つ目はAIによる選考支援機能である「HERP AI Recruiter」です。面接官へのフィードバックや、次の選考官への情報の要約・引き継ぎ、メッセージの下書き作成などを支援しています。

候補者様一人ひとりの選考支援だけでなく、「なぜこの求人はうまくいっていないのか」を分析し、求人票の改善につなげる機能もあります。

HERPでは、業務効率化にとどまらず、選考や求人そのものの質を高めることを重視しています。

3つ目が、「HERP Career」「ジョブミル」といったATSとマッチングサービスをつなげることです。採用管理を効率化するだけでなく、企業様がそもそも良い候補者様と出会える機会を増やすことで、採用成果そのものを高めたいと考えています。

AI機能は今後、各社ともに一定水準まで進化し、機能の差だけでは差別化しにくくなっていくと考えています。だからこそHERPならではの求人・求職者ネットワークを育てることを重要視しています。

HERPはAIをどのように活用していきたいと考えていますか

AI活用には、大きく3つの狙いがあります。

データを活用して企業様と求職者様が出会うまでの効率を高めること、応募後のオペレーション業務を効率化すること、そしてそこで生まれた時間を、人が候補者様とのマッチ度や選考体験を高めることに使っていただくことです。

この循環を作ることで、より良い採用につなげていきたいと考えています。

<採用市場の「いま」>

スタートアップやベンチャーの採用市場や候補者動向はどのように変化していますか

スタートアップ企業は、調達やIPOの環境が厳しくなり、以前のように採用に力を入れられない企業様が増えている印象があります。加えてAIの台頭もあり、人を増やすこと自体を見直す動きも出てきています。

一方で、事業がうまくいっている企業様は採用を緩めていないと感じています。そうした企業様が求める要件は上がっており、オファーは一定以上のスキルを持つ方に集中しています。

結果として、採用市場では良い人材の取り合いが起きている状況です。

AI時代に求められる人材像はどう変化していますか

今後特に求められるのは、AIにはできない「問いを立てる力」、人の心を動かす「コミュニケーション力」、そしてAIを組み込んだ「業務オペレーションを設計する力」です。

AIの普及によってホワイトカラーの仕事が高度化する中で、企業側の採用基準もこれまで以上に高まっていく可能性があると考えています。

<HERPはどんな企業と相性が良いか>

HERPは採用体制やフェーズによって、活用方法はどう変わりますか

目安として、社内に採用担当者がいないフェーズ、一人人事のフェーズ、採用チームがあるフェーズの3つに分かれます。

採用担当者がいないフェーズ(〜20名程度)

まずは採用データを残し、活用できる基盤を作ることが重要です。

個人情報の塊なのでスプレッドシートでの管理は負担が大きく、AI活用が前提になる時代だからこそ、この段階から活用できる形でデータを蓄積しておく意味があります。

一人人事のフェーズ(〜50名程度)

一人で採用のすべてを担うのは大変です。手が回らなくなると採用活動が停滞し、引き継がれていない状態で面接に臨むことにもなります。

そうした取りこぼしを防ぎ、候補者様と向き合う時間を確保してアトラクトにつなげるために、ツールを活用いただくフェーズです。

採用チームができるフェーズ(~300名)

ここからはデータ活用がかなり重要になります。AIを組み込んだオペレーションや、人事と現場の役割分担を丁寧に設計しなくてはいけなくなるため、APIやAIリクルーターの活用もご検討いただく段階です。

<HERPで成果が出る企業/出ない企業>

成果が出やすい企業にはどのような特徴がありますか

成果が出ている企業様は、採用そのものに強くこだわっています。

採用担当者だけに任せるのではなく、現場メンバーと求める人材像や評価基準について認識を揃え、協力して採用活動を進めている会社が成果を出しています。

企業規模やブランド力にかかわらず、「良い人を採用するためにどこまでこだわれるか」が、成果を左右する時代になっていると感じています。

HERPと相性が良い採用とはどのようなものですか

HERPは、条件や資格だけで機械的に採用を決めるのではなく、候補者様の経験や人柄、企業との相性まで含めてマッチングを重視する企業様と相性が良いと考えています。

逆に、一定の資格を持っていれば効率よく採用できるという領域では、私たちの強みは活きにくい部分があります。

採用管理の効率化そのものより、「本当に自社に合う人と出会いたい」という企業様の採用にお役立ていただけると考えています。

<HERPの導入タイミング>

HERPを導入するタイミングの目安を教えてください

ATS導入の一つの目安は、月に正社員の20〜30件ほどのエントリーがある場合や、半年〜1年で5名程度の採用を目指すタイミングです。ただし、これはあくまで一つの目安です。

今後AIやデータを活用していくことを考えると、採用の初期段階から候補者や選考のデータをきちんと蓄積しておくことも重要です。

そのため、企業規模にかかわらず、採用活動を本格的に始める段階から活用いただけると考えています。

HERPの導入から運用が立ち上がるまでは、おおよそ2週間~3ヶ月ほどが目安になります。

<今後の展望>

今後、HERPはどのようなサービスを目指していますか

正直なところ、私たち自身も「採用管理システムではないとしたら、HERPは何なのか」を模索している段階です。

ATSを求める企業様には採用管理システムとして、応募を増やしたい企業様には求人媒体として、エージェント経由で応募を増やしたい企業様にはエージェントネットワークとして提供しています。この複数の機能を一つのサービスで提供できることが、強みだと考えています。

今後はこの部分をさらに強化し、企業様の課題がどこにあっても応えられるサービスにしていきたいと考えています。

▼インタビューにご協力いただいた株式会社HERPのサービスサイトはこちら
https://lp.herp.cloud/


スカウト媒体・ATSの選定でお悩みなら「Recboo」

Recbooでは、シードのスタートアップから上場企業まで幅広い企業の採用支援を行っており、媒体やATSの選定・導入についてもご相談いただけます。「自社のフェーズに合うのはどのツールか」といったご相談も歓迎しています。


こちらの記事の監修者

株式会社ノックラーン代表取締役

福本 英Fukumoto Akira

株式会社ビズリーチ(現Visional)で約100社のスタートアップ/ベンチャー企業・外資系企業・日系大手企業の中途採用コンサルティングに従事。その後、AIスタートアップにて採用全体を統括し、上場に貢献。2022年に株式会社ノックラーンを創業し、3期目で株式会社エアトリ(東証プライム上場)へグループイン。主力事業「Recboo」にて、スタートアップ~上場ベンチャーを中心に、CXO・幹部クラス、研究者、AI人材など高難易度職種の採用、採用体制の0→1構築の支援行う。

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