エンジニアの採用が難しい理由と成功させるコツを解説!おすすめの手法も紹介
エンジニア採用がうまくいかない——そう感じている企業の多くが、「候補者が少ない」「市場が厳しい」という理由に行き着きます。確かに市場は厳しい。しかし採用支援の現場を見てきた経験から言えることがあります。
「採れなかった」のではなく、「プロセスの詰まり」で逃していたケースがほとんどです。
この記事では、エンジニア採用が難しくなった市場背景と、採用停滞の真因を「4段階のフレームワーク」で整理して解説します。
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エンジニア採用が難しくなった市場背景
エンジニア採用の難しさは、構造的な人材不足が背景にあります。現在の状況を示す3つのデータを確認しましょう。
求人倍率3.38倍:一人の候補者を複数社が同時に追っている
情報処理・通信技術者の新規求人倍率は3.38倍(全職業平均2.17倍)。つまり、エンジニア1人あたりに3社以上がアプローチしている状況です。この数字は年々悪化しており、スカウト返信率の低下はこの競争激化と直結しています。
2040年:IT人材73.3万人不足
人材不足は今後さらに拡大します。経済産業省の試算では、2040年には最大73.3万人のIT人材不足が見込まれています。構造的な採用難は長期化するため、「今だけ頑張ればいい」という対応では追いつきません。
76.4%が「働き方」で意思決定する
年収が同水準の場合、76.4%の候補者が「働き方が理想に合うか」で企業を選びます。年収だけでは差別化できない時代になっており、選考体験・文化・裁量といった非金銭的な訴求が重要性を増しています。
エンジニア採用が難しい理由【内的要因】
市場環境だけでなく、自社の採用プロセスに課題があるケースも少なくありません。内的要因を4段階に整理すると、どこで詰まっているかが明確になります。
①ターゲット設計の問題
必須要件を多く設定しすぎると、該当する候補者が市場に存在しなくなります。よくある例として、「〇〇の実務経験3年以上+△△の知識+英語力+マネジメント経験」など4〜5項目以上が重なると、スカウト媒体のDBで検索しても数十人しかヒットしないケースがあります。
候補者不足を「市場の問題」と判断する前に、まず要件を媒体DBで検索して母集団の実数を確認しましょう。100人を下回る場合は、要件の見直しが最優先です。
②スカウト・アプローチの問題
スカウトを送っても反応がない場合、文面より先に確認すべきことがあります。「そもそも開封されているか」という既読率の把握です。
採用担当名義で送られた長文スカウトは、開封される前に埋もれます。CTO・CEO名義に変更し、冒頭2行で候補者個人の経歴に言及するだけで、既読率が大きく改善したケースがあります(実例:既読率50→89%、返信率3.8→10.5%)。
③選考・歩留まりの問題
優秀なエンジニアほど複数社の選考を並行しています。自社の選考に3週間かかっている間に、他社が1週間で内定を出せばそちらに流れます。
「対応の遅さで逃した」案件は、採用担当が気づいていないだけで実際には多発しています。初回面談の設定速度、面接後フィードバックの速さ、内定後の対応——これらすべてが候補者の意思決定に影響します。
④体制・仕組み化の問題
採用が属人化していると、一時的に改善しても元に戻ります。また経営層が採用実務に追われ、事業成長に使える時間が圧迫される問題も起きます。採用ファネルをデータで管理し、どの工程に問題があるかを可視化する仕組みが必要です。
エンジニア採用が難しい理由【外的要因】
大手・メガベンチャーとの競合
エンジニアは、GAFAMやメガベンチャーからも積極的にスカウトを受けています。これらと同じ土俵で戦うのは難しく、自社の強みを明確にしたターゲティングが必要です。
転職市場でのエンジニアのスカウト過多
スカウト媒体の普及により、エンジニアへのスカウト数は年々増加しています。1人のエンジニアが月50通以上受け取るケースも珍しくなく、平均返信率は低下し続けています。
フリーランス・副業の選択肢の増加
優秀なエンジニアほど正社員以外の働き方の選択肢が豊富です。フリーランスや副業で高収入を得られる現状では、正社員採用の競合相手が企業だけでなく「フリーランスとして働く選択肢」にもなっています。
「採用できない」の真因を4段階フレームワークで診断する
採用支援の現場で最も多く見かけるのが、「母集団が足りない」という誤診です。実際には採用プロセスは4つの段階があり、どこかが詰まると後の工程がどれだけ優れていても結果が出ません。
| 段階 | 詰まりのサイン | 打つべき手 |
|---|---|---|
| ①ターゲット設計 | 媒体DBの検索結果が100人以下 | 必須要件を市場のボリュームゾーンに引き直す |
| ②スカウト | 既読率70%以下 / 返信率5%以下 | 送信者名義をCTO・CEOに変更、冒頭2行を個別化 |
| ③選考・歩留まり | 面談設定まで3日以上かかる | 予約リンク設置、選考工程の短縮 |
| ④体制・仕組み化 | 採用担当が属人的に動いている | 採用ファネルの可視化、経営層の関与設計 |
まず自社がどの段階で詰まっているかを特定することが、改善の出発点です。
支援事例で見る「詰まり」の解消パターン
事例①:要件を再定義して母集団を開く(ターゲット設計)
医療ディープテック企業(シリーズA)では、必須要件を「ラジオアイソトープの取扱実績」に設定した結果、該当候補者がほぼゼロでした。
→ 要件を「湿式化学の基礎技術・知見」へ再定義。母集団が拡大し、3ヶ月で8名内定・7名承諾という成果につながりました。
ポイントは「条件を緩める」ではなく「市場に一定数いる表現に引き直す」こと。入社後に成果を出せるかどうかという本質的な判断基準は変えていません。
事例②:スカウト構造の見直しで返信率が改善(スカウト)
ロボティクス企業(シリーズB)では、「採用担当」名義で長文スカウトを送っていたところ、既読率が50〜57%にとどまっていました。
→ 送信者名義をCTO・CEOに変更し、冒頭2行で候補者の経歴に具体的に言及する形式に変更。既読率89%、返信率10.5%に改善(変更前3.8%)。
変えたのは3点のみ:①送信者名義、②件名と冒頭2行の個別化、③長文を削って短文+具体的な誘いに絞る。
事例③:初期接点の短縮で優秀層の流出を防ぐ(選考・歩留まり)
AIソフトウェア企業(シリーズA)では、代表との初期面談設定が属人的で時間がかかり、優秀層を取りこぼしていました。
→ 候補者がCEOの空き枠に直接予約できる方式に変更。4ヶ月で130名の応募・2名の内定承諾を実現。
採れなかったのではなく、対応の遅さで逃していたケースの典型です。
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エンジニア採用に効果的な手法5選
①ダイレクトリクルーティング
ターゲットを絞ってスカウトを送るダイレクトリクルーティングは、エンジニア採用の主流になっています。Findy・LAPRAS・LinkedIn・YOUTRUSTなど職種・レイヤーに応じた媒体選定が重要です。
ただし、スカウトはただ送れば良いわけではありません。既読率・返信率を媒体ごとに計測し、送信者名義や文面の構造を定期的に見直すことが継続的な成果につながります。
②リファラル採用
既存社員からの紹介で採用するリファラル採用は、採用コストが低く、入社後のミスマッチも少ない傾向があります。エンジニアはコミュニティのつながりが強く、リファラルが機能しやすい職種です。
③採用広報・オウンドメディア
技術ブログ・note・GitHubでの活動発信などを通じて、エンジニアに直接訴求する採用広報は、スカウトの返信率にも影響します。候補者はスカウトを受け取った後に企業を検索し、そこで得られる情報が返信・応募判断を左右します。
④エージェント・RPO活用
採用のリソースが不足している場合や、急募のポジションがある場合は、採用代行(RPO)や人材紹介エージェントの活用も有効です。特にエンジニア特化のエージェントは、母集団の質と専門性の両面で優位性があります。
⑤カジュアル面談の設計
「まずカジュアルに話しませんか?」は今や標準になりました。差別化するには、面談への参加ハードルを下げる工夫が必要です。「画面オフOK」「30分で完結」「準備不要」などを明記し、CTO・技術リードが出席することで候補者の関心を引きやすくなります。
難しいエンジニア採用を成功させるポイント
自社の詰まり段階を特定してから施策を打つ
全部を同時に改善しようとすると、どれも中途半端になります。まず4段階フレームワークで自社の課題を特定し、最も詰まっている工程から集中的に手を打つことが重要です。
【簡易チェックリスト】
□ 媒体DBで必須要件を検索して100人以下 → ①ターゲット設計から
□ スカウトの既読率が70%以下 → ②送信者名義・件名から
□ 面談設定まで3日以上かかる → ③初期接点の短縮から
□ 採用担当が属人的に動いている → ④体制・仕組み化から
スピードを最優先にする
エンジニア採用において、対応の速さは候補者への関心の高さとして受け取られます。返信・面談設定・内定通知のすべての工程でスピードを意識することが、優秀層の流出を防ぐ最大の施策です。
選考で候補者を「惹きつける」設計をする
優秀なエンジニアは、選考中も「この会社でいいか」を評価しています。面接官が技術の魅力を語れるか、現場エンジニアとの接点があるか、意思決定者が早期に関与しているか——これらが選考体験を通じた動機づけになります。
内定後のフォローを怠らない
内定を出した後も、承諾までの期間に他社との比較が進みます。内定通知後は早急に意思決定を促すとともに、承諾猶予期間中も定期的な接触を保ち、入社後のビジョンを具体的に伝えることが離脱防止につながります。
「働き方」で差別化する
76.4%の候補者が働き方で意思決定する時代に、年収だけでの差別化は限界があります。リモートワーク・フレックス・副業可などの働き方、技術的な裁量・設計への関与度、学習環境などを具体的に伝えることが競合との差別化になります。
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まとめ
エンジニア採用が難しい背景には、求人倍率3.38倍・2040年に73.3万人不足という構造的な人材不足があります。しかし「採れない」の原因は候補者の絶対数より、採用プロセスの4段階のどこかに詰まりがあるケースがほとんどです。
- ターゲット設計:必須要件の絞り込みすぎで母集団がゼロに
- スカウト構造:開封すらされていない
- 選考スピード:対応の遅さで他社に流れている
- 体制・仕組み化:属人化で改善が定着しない
どの段階に課題があるかを診断し、そこに集中的に手を打つことが採用改善の近道です。
Recbooとは
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